先週の金曜日の夕方、テレビは緊急会見に切り変わりブルームバーグ市長が、「翌週月曜日はハリケーン、サンディがニューヨークを直撃するであろうから公立学校は休みにします」と緊張感を持ってテレビ画面におさまっていた。
昨年の秋もアイリーンと言う大型ハリケーンがニューヨークを直撃した。その時点で私は日本に滞在していたのでハリケーンを体験していなかったが、このサンディは昨年のアイリーンを大きく上回るものとのことだ。
日曜の夕方、スーパーマーケットを2店舗訪れてみたが、ともに長蛇の列で日本で言うところの年末大売出しのような混み具合であった。バナナの棚などは2店舗とも売り出し棚がむき出しで、バナナが売られていない棚をみたのは初めてのことであった。
さて、そのニューヨークを直撃したハリケーン、サンディ。日曜の6時あたりから窓の外で、大きな“うねり”のような、今まで聞いたことのないような不気味な風の轟音がした。一夜明けて外を眺めるとビル建設予定で囲みをしていた衝立は無残なほどになくなって、ビル建設用地には水が溜まり人工池のように見えた。標識はブラブラと強風にあおられ息も絶え絶え状態に見える。道路は普段なら早朝でも車が激しく流れているのに、ゴーストタウンのように車が走っていない。
赤いライトを点灯しながら走る車が暗がりに見えたが、どうやら救急車のようだ。車のいないすいた道路ではピーポーのけたたましい音などたてなくても問題なく進んでいけるからだろうか? 本来は救急車の出動には音を伴うものに思うが、この時期に救急車の騒音は市民を余計に不安にさせてしまうので特例措置として鳴らさないのだろうか? 普段と違う荒れ狂う窓の外の風景を見ていた。
写真は日曜のイーストリバー近くの78丁目である。右側は本来は公園内の歩道である。ウォターフロントの公園で普段は散歩したりジョギングする場所である。そして斜めに写る欄干の向こうはイーストリバーである。我が家はイーストリバーに近いが停電は免れた。しかし、イーストリバーにより近い高層アパートでは灯りが最上階以外に見えなかった。恐らく停電してしまったのだろう。我が家のエレベーターにも日曜には張り紙が張られ、「夜7時以降からハリケーンが落ち着くまではエレベーター使用を控えてください」とあった。エレベーター使用中に停電にあったらコレは大事である。
ニューヨークは何事も対応の早い土地である。よってこのハリケーン去りし後、行政はいち早く対応に着手することであろう。世界の首都と豪語する強気のニューヨークも天災にはただひそやかに去ってくれるのを待つしかないのである。
画像:『flickr from YAHOO!』
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※この記事はガジェ通ウェブライターの「あおぞら」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
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