いま将棋界で快進撃を続ける、最年少プロ棋士、藤井聡太四段。先日インターネットテレビ局「AbemaTV」の番組で、非公式戦ながら羽生善治3冠を破り話題になりました。その姿は、将棋を題材とした映画『3月のライオン』(前編・後編、絶賛公開中)の主人公・桐山零と重なるところが多く、「リアル桐山零」と言われるほど。
というわけで、映画の撮影でも将棋監修を務めた指導棋士・田中誠さんに、映画『3月のライオン』の登場人物を実際のプロ棋士にわかりやすく例えてもらいました!
【桐山零→藤井聡太四段】
(現役最年少プロ棋士、中学生でプロとなった)
例えるならば、藤井聡太四段でしょうか。(連載当時、藤井四段は将棋をはじめていませんが、現実が漫画を追い越しました)
佇まい指し方は、豊島将之八段を元にしており、映像参考資料としても使用しました、棋譜も多く取って来ています。でも、それ以上に神木さんの桐山零くんは将棋指しっぽい雰囲気を出しておりました。
【二海堂晴信→ 村山聖九段】
(病気を抱えながらも懸命に将棋と向き合った熱血漢)
僕は村山先生と少し親交があったのですが、染谷さんが本当に村山九段の様な喋り方をしていて驚きました。
【宗谷冬司→羽生善治三冠と谷川浩司九段】
(史上初の7大タイトル全冠制覇を成し遂げた)
羽生善治三冠と谷川浩司九段が元になっております。佇まいは、谷川先生を、実績は羽生先生を元にしております。映画で演じられた加瀬さんは物凄く映像を見て、時間を掛けて役作りをされて居ました。
【島田開→木村一基八段】
(島田研究会を開き、若手棋士との研究にも力を入れる頼れる棋士)
映画の島田開さんを例えるならば、木村一基八段でしょうか。棋譜と髪の毛ネタは木村一基八段を元に考えております。また、姿佇まいはみなさんご存じの通り演じられた佐々木蔵之介さんご自身です。
【後藤正宗→郷田真隆九段】
(重厚な棋風が持ち味)
映画の伊藤英明さんを見ると、棋士に例えるならば、若い時の郷田真隆九段がそのまま40代になったらと言ったイメージでしょうか、若い時のイケメン、重厚な気風と鋭い視線と言った辺が合っております。(実際は体を壊されました)
【三角龍雪→伊藤果八段と久保利明王将】
(将棋も性格も軽さが売りの持ち主)
将棋から推察するに、伊藤果、詰将棋作家として有名で、気風がほぼおなじ。身長も高く、若い時の写真を見ると本当に三角みたいな感じです。今の棋士に例えるならば、クールな佇まいの久保利明王将でしょうか?
【松本一砂→田中寅彦九段と近藤正和六段+友田さん】
(将棋も性格もストレートで攻撃的)
映画の松本一砂さんは編集者の友田さんの若い時の要素がかなり入っております。あと、映画を見ると、よく喋る、お調子者、って辺から、立会人で出た田中寅彦九段(高身長、ストレートで攻撃的)辺りを思い浮かべる所は有りました。三角、松本の高身長コンビも、田中、伊藤とのコンビで少し似ているかもです。
【山崎順慶→森雞二九段と永瀬拓矢七段】
(新人王4期優勝。関西所属。スキンヘッド)
映画を見て思ったのは、名人に挑戦した時にスキンヘッドにした、森雞二九段に似ているなと。初見でのインパクト、鬱々とした空気、全てが似ていると思います。最近の棋士で思うのは”軍曹”の二つ名を持つ、永瀬拓矢七段でしょうか。只者でない空気をまとっております。
【神宮寺崇徳→米長邦雄永世棋聖と中原誠十六世名人】
(日本将棋連盟会長)
原作はどちらかと言うと米長先生寄りですが、映画の神宮寺会長の姿を例えるなら中原誠十六世名人寄りになっておりました。
【柳原朔太郎→米長邦雄永世棋聖と加藤一二三九段 】
(現役最年長棋士であった)
映画は、神宮寺(中原誠十六世名人モデル)さんとコンビだからか、棋士に例えると、ライバルだった米長邦雄名誉棋聖寄りになっておりますね。今だと、加藤九段が近いと思います。
※映画の将棋監修は、先崎学九段、村中秀史六段、藤森哲也五段のプロ棋士を含む4名体制で行われました。
『3月のライオン』
http://www.3lion-movie.com
(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会