きのう、大人の日常系作品では「仕事」が重要なポジションを占めるよね、と書いたのですが、よく考えなくても当然、無職の主人公を描いた作品もありますよね。
その手の作品は必然的にどこか重くならざるを得ないのかな、と思い、参考までに『働かないふたり』を読んでみました。
うん、全然重くないですね。あくまで軽いコメディとして楽しく読める。
ただ、リアルニートの身の上からすると非常に身に詰まされる話で、ほんとうに楽しく読んでいていいのかな、と疑問に思ったりします。
あるニートの兄妹が主役の楽しい日常ものなのだけれど、このまま行くといつかは破綻する生活だよなあと思えて来るところが微妙に辛いです。
もちろん、そういうことは考えないで単なる日常ものとして読むこともできるのだけれど、いや、どうしても考えてしまうよなあ。
まあ、ぼく自身がこの兄妹と変わらないごくつぶしの生活を送っているわけなので、ことさらに非難しようとはまったく思いませんが、先の見えない人生にはどうしたってある種の緊張感がただようもの。
『のんのんびより』を読むのと同じ感覚で読むのは無理でしょう。
いや、『のんのんびより』だって未来は閉ざされているかもしれないけれど……。
そうですね、たとえば『妹さえいればいい。』や『エロマンガ先生』にしたところで、主人公は作家という不安定な職業です。
あすをもしれぬ、とまではいかなくても、決して明るい未来が保証されているわけではない。
こうしてみると、案外、不安定な境遇こそがいまの楽園性を強化しているのかもしれません。
ある種の逃避には違いありませんが、将来が不安であればあるほど、いまは輝きを増したりするのかも。
いまの時代、日本全体が未来が見えない状況にあるわけで、将来の幸せまで確実に見えている人は少数派でしょう。
となれば、未来が見えないにもかかわらずいまの日常を楽しむ姿にこそ、リアリティがあるのかなあ、とも思います。
とはいえ、完全に社会と隔絶したひきこもり生活はどう想像してもあまり楽しいものにはなりそうにありません。
だから、どこかで社会との接点を持つ必要がある。
この場合は、
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