弱いなら弱いままで。

動機がない人間は勝てない。アニメが垣間見せるきびしすぎる現実。

2015/05/19 02:27 投稿

  • タグ:
  • 感想
  • 批評
  • レビュー
  • 小説
  • 漫画
  • アニメ
  • ベイビーステップ
  • 響け!ユーフォニアム
  • 京都アニメーション
  • 人生論
響け!ユーフォニアム 1 [Blu-ray]
 
 なかなか出来がいいアニメ版の『ベイビーステップ』を見ています。

 原作ではしばらく前に通り過ぎてしまったお話であるわけですが、マーシャとか清水さんが登場しているのがひそかに嬉しい。

 ふたりともなっちゃんを前に敗れ去っていったヒロインなんだけれど、十分にメインヒロイン張れるだけの魅力があるキャラクターだと思います。

 ていうか、可愛いよなあ。マーシャも清水さんも。

 なっちゃんの太陽のような輝きがすべてをかき消してしまうんですけれどね……。

 リアルではあるけれど残酷だなあ。

 それにしても、『ベイビーステップ』を見ていると、主人公であるエーちゃんの動機の強さが印象に残ります。

 ペトロニウスさんも書いていますが、エーちゃんは決して選ばれた天才でもなんでもないんですね。

 運動能力という意味では凡人でしかありえないかれが、それでも「選ばれた神々の領域」にまで才能を開花させていけるのは、ひとえに高いモチベーションがあったからです。

 常に高度な向上心を持って自分をきびしく追い詰めていくかれのスタイルも、すべては「テニスが好きだから」という想いがあってこそ。

 その動機の強さを見ていると、ぼくはどうしても『響け! ユーフォニアム』あたりを思い出すわけです。

 こちらはまだ最新話まで追いつけていないのだけれど、『響け! ユーフォニアム』はいってしまえば普通のモチベーションしか持たない人たちの物語なんですよね。

 自分自身のなかから「とにかくこれをしたい!」という欲望が湧き上がることがない人たちの物語、といえばいいかな。

 そのジャンルの才能という意味では、エーちゃんと『ユーフォニアム』の少女たちはそれほど大きな差があるわけではないかもしれません。

 しかし、動機の強度が決定的に違う。

 エーちゃんはとにかく圧倒的にメンタルが強いのです。絶対的なメンタルを持っている人間とそうでない人間が勝負をすると、長期的にはもう勝負にならないくらいの差が付いてしまうのですよね……。

 人間の動機には「内発的動機(内発性)」と「外発的動機(外発性)」があるといわれています。

 内発的動機とは、自分の内側から沸き上がってくる動機のこと、外発的動機とは外部的な条件によって決まる動機のことですね。

 この内発的動機がエーちゃんは驚異的に強い。こと内発性にかけては、ほとんど天才的といえると思う。

 テニスの技術や才能ではなく、この動機の強靭さこそがかれの特別さでしょう。

 だからこそ、後発のスタートでありながら、次々とライバルたちを打ち破ることができた。

 だれよりも強く勝ちたいと思っている、というか思いつづけていることがかれの強みなのです。

 で、だから『ユーフォニアム』は見ていて辛いものがあるんですよね。 

ここから先は有料になります

ニコニコポイントで購入する

チャンネルに入会して購読する

  • この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。

コメント

コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。

いまブロマガで人気の記事

継続入会すると1ヶ月分が無料です。 条件を読む

アラフォーオタクハゲの陰キャでも配信したい!

アラフォーオタクハゲの陰キャでも配信したい!

月額
¥330  (税込)
このチャンネルの詳細