『アルスラーン戦記』がゲームになるそうですね。
アニメ化は数しれない田中芳樹作品でもゲームになったものはそう多くありません。
現代のハードであの世界がどう再現されるのか気になるところです。
その昔、メガドライブでシミュレーションゲームになっていたような気がしますが、きっと気のせいでしょう。ええ、そうに違いありません。
いずれにしろ漫画、アニメ、ゲームと『アルスラーン戦記』の世界がしだいに拡大していっていることはたしかで、いちファンとしては非常に嬉しいところです。
これで原作の新刊が出ると文句がないのだけれど、それはまあいうまい。
アニメも出来はいいですし、漫画はこのまま行くとおそらくミリオンセラーになるでしょう。
これで新たに『アルスラーン戦記』のファンになる人も数多くいるはずで、長年の読者として感慨深く思います。
それもこれも原作のストーリーがきわめて優れているからこそ。
全盛期田中芳樹作品の面白さはやはりただごとではありません。キャラクター小説の歴史に冠絶するものがある。
アニメはパルス王都エクバターナの陥落にまで話が進みました。
アルスラーンと黒衣の騎士ダリューンに加えて、軍師ナルサス、その弟子エラム、楽師ギーヴ、女神官ファランギースと旅の一行はほぼそろいました。
対するは侵略者ルシタニア王国軍30万。それになぞの銀仮面の男――この銀仮面の正体はもうすぐわかりますが、アルスラーンにとって宿命の難敵ともいえるこの男を巡って、物語は今後、二転三転していきます。
そのほかにも王都奪還を目ざすアルスラーンの前に立ちふさがる者は少なくなく、いまのところは線が細く頼りない少年に過ぎないかれはいっそう成長していかなければなりません。
この流浪の王子アルスラーンの成長物語としての面白さが『アルスラーン戦記』の魅力の一端です。
わずか14歳の無力な子供が、いかにして数々の宿敵をも凌駕する真の王にまで成長していくのか。
原作未読の皆さまには期待していただきたいと思います。
ところで、第7話にしてルシタニア王国の王弟ギスカールが登場しましたね。
この男、きわめて有能な軍人であり策謀家であり政治家であるというマルチタレントの持ち主なのですが、人格的に見ても実に面白いキャラクターの持ち主です。
パルス征服戦争、王都陥落、その後の戦争と続く悲劇の根源はすべてこの男にあるわけで、その意味では何十万もの命に責任を持つ大悪人ともいえるのですが、どうにも憎めない。
ええ、ものすごく悪いやつなんですけれどね(笑)。
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