あなたは怖くないだろうか? 生きていることが。生きてこの世界にあり、あしたも、あさっても、生きつづけていかなければならないということが。ぼくは恐ろしい。真夜中、布団の上に寝そべり、暗い天井を見上げていると、時々、激しい不安がこみ上げてくる。
あしたも生きていけるだろうか? あさっては大丈夫だろうか? 何か取り返しのつかない失敗が待っているのでは? その暗い不安が炎のように神経を灼く。それでも、この歳になると、いろいろとごまかし方がわかってくる。子供の頃はそうは行かなかった。
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