豊かに生きたい。
それでも、「美を生きる」ことには、何とも言えない喜びがある。お金持ちになどならなくてもよい。「良い学校」など出なくてもよい。社会的地位などいらない。ただ、「美を生きる」こと、それさえできればよい。「美を生きる」ことさえできれば、呼吸する一瞬一瞬は福音となる。見るものすべてが意味深いものとなる。行き交う人に、笑顔で接することができるようになる。生きながらえて、イデアの世界に接続できるようになる。日常に追われ、疲れて眠りに就き、ふと目覚めたその夜の静寂に、自分の呼吸に耳を済ませながら考える。僕た
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