どもです。先日、てれびんとラジオを放送しました。彼奴とラジオると、だいたい99%まで下らないことしか喋らないわけなのですが、のこり1%、奇跡的に歯車が噛み合って内容のあることを語りあう場合もあり、前回の放送はその1%だったと思います。わりと真面目にいい話をした感じ。

 何の話をしたかと云うと――何だったっけ。もう忘れたけれど、まあわりといい話をしたんじゃないかと思うんですよ。で、相当に飛躍を繰り返しながら話した印象があるんだけれど、驚くべきことにはリスナーがちゃんと付いてくるんですよね。びっくりだよ。

 これ、たぶん、リスナーもいつも聴いている人たちばかりだから、訓練されているということだと思うんですけれど。まあ、話のバックグラウンドがわかっているとかなりディープな話題でも理解できるということなんでしょうね。面白い。

 何の話をしたのか思い出したので書いておくと、結局、「砂場」の話をしたんですね。この場合の「砂場」とは、創作者と消費者という「縦の関係」ではなく、二次創作者を含む消費者同士の「横の関係」から楽しさが生み出される環境のことです。

 本来、創作活動とその消費活動は、一対一の「縦の関係」に面白さがあるものであるわけです。作家が作品を送り出し、消費者がそれを受け止める。その関係がすべてなんですね。

 ただ、同時にその「縦の関係」を軸にして作品の感想などを共有して楽しむ「横の関係」も楽しいものだということは皆さんご存知でしょう。ニコニコ動画なんてまさに典型的ですよね。

 ニコニコは作品のひとこと感想を画面上で共有することによって「横の関係」を楽しむ「場」、つまり「砂場」なのです。コミケなんかもある種の「砂場」だし、TwitterにもFacebookにも「砂場」は存在します。Pixivに至っては云うまでもありません。

 ある作品を媒介にして感想を共有してみたり、イラストを描いてみたり、音楽を作ってみたり、二次創作を生み出してみたりすることを楽しめる環境はとても貴重なものです。

 ただ、それらは本来、「縦の関係」に付随する「おまけ」に過ぎなかったでしょう。「横の関係」がどんなに楽しいとしても、あくまで重要なのは「縦の関係」だったはずだと思うのです。

 ところが、同人誌即売会のようなイベントごとや、インターネット、特にソーシャルメディアが極度に発達して来ると、「砂場」はどんどん大きくなっていくわけです。

 そして、「縦の関係」より「横の関係」である「砂場」のほうがより楽しく、より重要だというような逆転現象さえ起こっているように見えます。

 ただ、それでもやっぱり「砂場」的なものに物足りなさを感じる人もいる、ということは先の記事で書きました。ぼくなんかも、そうは云ってもやっぱり「縦の関係」だろ、あくまで一次創作あっての二次創作だろ、と思うわけなのですね。

 二次創作的なものは、たしかに面白いんだけれど、やっぱりそこには限界があると思うんですよ。100点は取れるかもしれない、110点もありえるかもしれないけれど、120点は無理、というような。

 それはオリジナリティがどうこうというよりは、作品の大枠そのものをいちばん面白くなるようにチューンできないことに起因していると思うわけなんですけれど。

 オリジナルな一次創作は、そういう意味では120点に到達できる可能性がある。あくまでポテンシャルの話に過ぎませんが。

 で、ぼくはたまに120点を取る作品が出てこないと、やはり物足りなさを感じてしまうわけです。