弱いなら弱いままで。

木曜時代劇『銀二貫』は胸に沁みいる名作。

2014/05/29 21:21 投稿

  • タグ:
  • ドラマ
  • 銀二貫
 ふと気づいたら数日間も更新を休んでいました。この数日、何をしていたかといえば、何もしていなかったような気がします。まあ、ラジオとかはやりましたが、そのほか細々としたタスクをこなしたりもしましたが、究極的には何もしていない。

 人間はどこまで無為に生きられるのか実験するような日々でした。うーん、その前はかなり忙しかったのですけれど、ひと通りタスクをこなしてしまったら急にやることがなくなってしまった。

 こういう時は次に忙しくなる時のため色々と準備をしておけばいいようなものの、ぼくはその時になるまで何もできない男なので、そういうわけにもいきません。

 さて、何をしたものか、と考えるうちに二日が過ぎ、三日が過ぎ、そしてきょうという日になってしまったわけです。ああ無情。そんな自堕落な日常のなか、ひとり寝そべりポテトチップスを齧りながら見ていたのが、NHKの木曜時代劇『銀二貫』。

 これがねえ、実に面白い。筋立てそのものの出来もさることながら、芸達者ぞろいの俳優陣の演技が見どころで、毎回毎回、息詰まるような、あるいは涙こぼれ落ちるような物語が展開されています。

 もう全9回のうちの8回まで終わってしまったので、いまさらオススメはしませんが、いずれ必ず再放送されるでしょうから、その時にはぜひ観てみてください。ほんとうにすばらしい作品です。

 在りし日の上方の空気が伝わるような雰囲気もさることながら、やはり何といっても凄いのは各キャストの芸の力。なるほど、演技力とは凄いものだな、と思い知らされます。いやあ、ひさしぶりにいいドラマだった。

 『ブラック・プレジデント』とか楽しそうに見ているうちのオヤジにも観せてやりたいけれど、こういう重厚なドラマは好きじゃないんだよね……。まあいいんだけれど。

 このドラマを観ているとつくづく思い知らされるのは、禍福はあざなえる縄の如し、人生は幸福と不幸のくり返しのなかでくり広げられるものなのだな、ということです。

 人生は決して歓びだけでは終わらない。哀しみがあり、苦しみがあって初めて、ひとは生きることの歓喜を知る。そう、理屈ではなく思い知らせてくれる名作です。いや、ほんとうにすばらしいですね。津川雅彦ってやっぱり凄い役者なんだなあ。

 それにしても、こういう少数の幸福な例外を除外すると、テレビではほとんど時代劇を見ることはなくなってしまいました。かつてあれほどまでに隆盛をきわめ、永遠に繁栄しつづけるかとすら思われた時代劇のこの凋落は何なのでしょう。

 色々な原因があるのでしょうが、 

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