弱いなら弱いままで。

優しいひとの触わり方。セックスという究極のコミュニケーションについて。

2014/03/30 04:04 投稿

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  • ベーシックレビュー
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 どうして朝にはたくさんあった時間がその日の夜にはなくなっているのだろう。わけがわからないよ。

 いや、こいつは暇だと云ってみたり、忙しいと云ってみたり、どっちなんだと思っておられる方もいらっしゃるかと思いますが、実は両方なのです。

 というのも、ぼくは基本的にはひきこもりのダメ人間なので、暇を持て余しているはずなのですけれど、マジメに記事を書こうと思うと途端に時間がなくなるんですよねー。

 もちろん、ただ書くだけならそれほど時間は取られないのだけれど、本を読んだり映画を観たりして資料をインプットするためには時間を取られるわけなのです。

 一見すると遊んでいるようにしか見えないし、じっさい遊んでいるだけなんだけれど、それでも時間がなくなることはたしか。労働時間そのものは1日30分から2時間だけでも、インプットの時間が必要なんだよね。

 ただ、てれびんあたりがきちんとスケジューリングして行動しているのを見ているとぼくの時間の使い方は非合理的だなあ、と思います。

 余談ですが、ぼくは基本的に年下年上かかわらず、ひとのことは「さん付け」して「あなた」と呼ぶのだけれど、てれびんだけは「呼び捨て」で「お前」です。てれびんはぼくの対人関係のルールを破壊しやがった恐ろしい奴なのです。

 ひと呼んで宇宙生物てれびん。ぼくは奴に散々世話になっているので云いたくはないですが、世の中には変わった人間がいるなあ、と感じますね。ぼくは普通だ。

 さて、きょうの「ベーシックレビュー」は花房観音『女坂』です。花房観音さんの作品は、以前、『花祀り』を紹介したことがあります。


 これはね、ぼく的にとても面白い作品でした。つまりはエロい上にもエロい官能小説をずっと書いてきているひとで、『女坂』もその系譜の作品です。

 女の情念どろどろのエロティックな物語に仕上がっています。ぼくもとことんこの手のどろどろ系のお話が好きですね。

 オタク的な滅菌された物語とは180度対照的な作品ではありますが、でも、ぼくはどちらかというと「こちら側」の人間なのだと思う。いくら清く正しいオタク生活を送っていても、じっさいには情念系の人間なんだよなあ。どういうわけか。

 まあとにかくエロスな物語は好きです。エロティシズムとはつまり「ひととひとが触れ合うことの官能」のことなのですね。そしてセックスとはつまり「ひとの心と体に触れる」ための方法論なのだろうと思う。

 その際、「優しいひとの触わり方」について知らないひとは、ひととに「乱暴に触わって」しまい、相手を傷つける。

 性別ですべてを判断することはできないとはいえ、やはり男性が傷つける側にまわることのほうが多いでしょう。この『女坂』ではそんな男たちのあり方がきびしく断罪されています。

 花房観音とは、どこまで行っても「女」を描く作家なのですね。そこがまた、ぼくは何とも好きです。ぼくは女性のことはよくわからないけれども、だからこそ、そこにはある種のセンス・オブ・ワンダーがあるのだと思うのです。

 それにしても、いつも思うのだけれど、ぼくが書いていることの真意はどの程度のひとに伝わっているのだろうか。

 ぼくが最近ずっと書いていることは、つまりは「この病んだ近代社会においてほんとうに健康であるとはどういうことなのだろうか」というテーマなのですね。

 自然から切り離されて、人工世界ですべてが完結する近代社会においては、「生きている実感」を得ることがむずかしい一面があります。

 自分の頭のなかですべてが完結してしまって、ぐるぐると想像が回るなかで肥大化し、ほんとうの現実を生きることができないという現象が起こるのです。ペトロニウスさんはこれを指して「ナルシシズムの牢獄」とか云ったりしているのだと思うのです。

 その「自分ひとりだけしかいない世界」からいかに脱出し、ほんとうの意味で他者と、世界と関わりあうためにはどうすれば良いのか。そのための方法論のひとつとしてセックスがあるのでしょう。

 セックスとは「ひとがひとに触わる」行為であり、その真実は「体を通して心に触わる」ところにあるのだと思う。自分自身の「心の穴」を開放し、傷つけられるリスクを犯してなお、相手の心と体に触れる行為。

 そこではもう「体」と「心」を二元論的に分けて考える必要はなくなるはず。だから、 

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