弱いなら弱いままで。

タバコはひとを狂わせる。日本禁煙学会との議論の可能性はあるか。(1970文字)

2013/08/14 16:19 投稿

  • タグ:
  • 映画
風立ちぬビジュアルガイド (アニメ関係単行本)

 すでにネットでは大きな話題になっているが、「日本禁煙学会」を名のる団体が「映画「風立ちぬ」制作担当者様」に向けて要望書を書いている。


 くわしくは上記アドレスを参照してほしいが、つまりは『風立ちぬ』にタバコを吸うシーンが多数含まれていることに対する抗議である。

 この団体は過去にも押井守の『スカイ・クロラ』に対して質問状を送っているほか、漫画の『NANA』などにも苦言を呈している。

 とにかく作中でタバコを吸っている描写を含む映画なり漫画に片っ端から抗議をしているようなのだ。

 その内容の荒唐無稽さは読めばわかる通り。ただまあ、「日本禁学学会」と名前こそ仰々しいものの、つまりは一圧力団体であるに過ぎず、それほど大騒ぎすることでもないかもしれない。

 スタジオジブリにせよ、プロダクションI.G.にせよ、これからもこのような団体の圧力に屈することなく作品を作っていくだろう。それで何も問題ない。

 この種の団体はただ、時々、ネットのウォッチャーに話題を提供するくらいのことしかできないだろう。

 じっさいにはごく小さな団体であっても、ひとは名前と見た目に騙されて巨大圧力団体を想像してしまうことがある。

 『ちびくろサンボ』を絶版に追い込んだことで知られる「黒人差別をなくす会」は当初、10歳の子供を含む家族3人で運営される会だった(その後拡大した模様ではあるが)。

 このようなきわめて小規模なグループでも、それらしい名前を名のっていると、いかにも大きな団体に見えて来るわけである。

 じっさい、岩波書店はこの「黒人差別をなくす会」の抗議を受けて、わずか数日で『サンボ』の絶版を決定している。児童書を代表する大ベストセラーであったにもかかわらずである。

 とにかくこの手の団体はハッタリを効かせることが最も大切なのだ。個人の名前で抗議をしたらまともに受け取ってもらえないだろうが、「××の会」なり「××学会」を名のれば相手も一応は無視できない。その内実がどうであれ。

 

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