映画 けいおん!  (Blu-ray 初回限定版)

 『けいおん!』を第一話から見なおしています。いやー、おもしろいです。以前に途中まで見たときはそれほどとも思わなかったのに、いま見るとやたらにおもしろい。これは何なんでしょう? ぼく自身が変わったのか、前は真面目に見ていなかったのか。あるいは何かしら予断と偏見をもって見ていたのか。

 まだ序盤なんですけれど、今度こそ全話と通して鑑賞し、傑作とうわさの劇場版にまで到達したいと思います。ちなみに『ガールズ&パンツァー』の第一巻も借りてきたので、こちらも急いで見たいですね(返却はあさってまで)。

 それにしてもいまになって『けいおん!』を見て「おもしろいなー」とか呟いているぼくは時代に数年遅れています。まあ、アニメは本業(?)じゃないのでいいんですけれどね。とにかくキャラクターの魅力とテンポ良いギャグに惹きつけられます。

 ただ、ぼくから見ると『けいおん!』の少女たちは「もうちょっと真面目に生きてもいいかな」というふうにも見えます。象徴的なのが唯が赤点を取って追試を受けるエピソードで、彼女はこの試験で満点を取ってしまうんですね。

 いくら友人たちに助けられたとはいえ、追試で満点を取れるくらいの実力があるなら初めからがんばれよと、そう思ってしまう。あまりにもぬるく日常を生きていないか、もうちょっとだけシリアスになってもいいんじゃね、と。

 ただ、これはあきらかにぼくが30代半ばといういい歳になっていて、「もう戻れない、戻りたくもない過去」として『けいおん!』の世界を見ているからそう思えるんですよね。ぼくだって自分が10代の頃はぬるーく生きていたわけだから。

 30代になると10代の頃とは時間の感覚が違います。唯たちと比べてぼくは20年ぶん「死」に近づいているわけで、人生ののこり時間が少なくなっている。だから「時間を無駄にすること」が恐ろしい罪のように思え、ゆるふわな日常を送っている唯たちを見ていると「もう少し真剣に生きてもいいかな」と余計なことを考えたりするわけです。

 ここらへんはペトロニウスさん(@Gaius_Petronius)がいうところの「あずにゃん問題」(笑)に関わってきます。あずにゃん問題とは! 「部活は、勝つことが重要なのか?それとも仲良くチームでやることが重要なのか?って命題」のことです(http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20090628/p1/)。

 で、ぼくは部活に限らず、人生においてどちらを重要だと考えるかで人間のタイプを分けることができるよな、などと思っています。勝つこと、あるいは目標を達成することが大切なのか、それとも限りある「いま」を楽しむことが大切なのか。