小林立『咲』を第4巻まで読んだ。ぼくは麻雀を知らないので具体的にどういう勝負をしているのかよくわからないのだが、それでも十分におもしろい作品だった。登場人物はほぼ全員女の子ばかりながら、方法論は王道の少年漫画のそれ。ほとんど車田正美かというくらいハッタリの効いた作品に仕上がっている。いやー、ぼくはこういう漫画好きですね。
それにしても小林立が描くキャラクターたちは皆、恐ろしく「可愛い」。萌える。抱きしめたい。ハァハァ。この「可愛さ」はいったい何なのだろう。何がこういう印象を形づくっているのだろう。
比較するのもばかばかしいかもしれないが、永野護『ファイブスター物語』に出てくるファティマたちは皆、『咲』のキャラクターに比べると「可愛くない」。異形ながら美しいことは間違いないし、可憐という言葉もよく似合うのだが、ふしぎと可愛いとは思えないのだ。
『咲』のキャラクターに感じる「萌え」とか「可愛さ」といったものがファティマにはどうにも感じられないということ。性格は従順で、健気で、奉仕的であるにもかかわらずぼくはファティマには「萌えない」。なぜだろう? いったい『咲』のキャラクターとファティマではどこがどう違っているのだろう? ぼくの個人的な感覚、あるいは錯覚に過ぎないのだろうか?
しばらく悩んでいたのだが、先ほどわかった。簡単なことだった。ファティマには「ぷに」が欠けているのだ。つまりファティマの肉体には我々人間のからだには付き物の贅肉というものがほとんどないから、ぷにぷにした印象がまったくないのである(間違いなく体脂肪率はひと桁だろう)。
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