さて、昨日の記事の続き。そういうわけで、ぼくはどういうわけかGOTHICな作品が好きです。

 GOTHICではない作品も好きなので、「ぼくが好きなものは即ちゴスなのだ」ということはできないけれど、怪奇趣味や猟奇嗜好や淫靡なエロティシズムの仄めきといったものには思わず感嘆のため息を吐いてしまうほうです。

 この世のあり方に対する否定、何もかも完全な〈反世界〉の希求――それがゴスの核心であるとするのなら、ぼくの心のおおよそ半分はそういうものを求めるようにできているのでしょう。

 もう半分はこの世界の「肯定」、くらやみに差し込む一条の明るい光を求めてやまない心でできているようですが。ゴシック耽美小説は好きですが、その反対に明るく、優しく、正しく、美しくととのったものも好きです。

 これはやぱり栗本薫の小説を読んで来た体験から来ているものが大きいと思う。いまから三十年以上前に、栗本はこのような意