えすとえむの異色職業漫画（？）『はたらけ、ケンタウロス！』がふしぎにおもしろい件。（1251文字）

　こういうことを書くと情弱と笑われるかもしれないけれど、いまさらえすとえむさんの漫画を発見して目を丸くして読んでいる。何これおもしろい。今日皆さんにオススメさせていただくのは異色の職業漫画（というか何というか）『はたらけ、ケンタウロス！』。

　タイトルであきらかなように主人公はケンタウロスの青年である。ただし年齢は50歳くらい。ケンタウロスは歳のとり方が人間とは違うらしい。作中の世界ではなぜかはケンタウロスが人間といっしょに暮らしており、主人公の青年のサラリーマン生活がほのぼのと描かれる。あたりまえの日常にケンタウロスが出現するギャップが笑わせどころである。

　いやあ、しかし、これはほんとおもしろかった。「はたらけ」といわれると反射的に「はたらきたくないでござる」と応じてしまう、生活に疲れた会社員の皆さんにもオススメ。少なくともこの漫画を読んでいるあいだは、日常の疲弊を忘却していられることを保証する。

　サラリーマン漫画とはいっても『課長島耕作』などよりよほどファンタジー度合いが高いので（何しろケンタウロスである）、ストレスをためる可能性はない。ただ、一話一話はごく明るいコメディであるにもかかわららず、ケンタウロスとひととの寿命の差がさりげなく示唆されていて、ほろりとさせるところがないでもない。