またも『ファイブスター物語トレーサーエクストラ2』を読んでいたのだけれど、この本はほんとうに興味深い。今回取り上げるのはこのお話のメインヒロインである「運命の三女神」の話。あいかわらず『ファイブスター物語』を読んでいないひとにはわけがわからないお話です。
さて、ファティマでありながら超常の力を持つ彼女たち女神三姉妹は、さまざまな物語を経て最後には超次元へ駆け登っていくわけですが、そこに至る人生模様はそれぞれです。
長女は放浪しつつも仕事に生き、次女は結婚して子供を生み、三女は不倫の恋をして昏睡状態に陥る、と書くと『ファイブスター物語』の話ではないみたいw まるで向田邦子か、最近なら橋本紡あたりが好んで描く世界の話のよう。
でも、客観的に見ると『ファイブスター物語』ってそういう話なんだよね。やっぱり長女であるアトロポスが辛い役どころで、彼女は妹のラキシスに対し思うところがあるはず。
特筆するべきはラキシスの女子力の高さですね。ラキシスって好きなひともいればそうじゃないひともいるキャラクターだと思うんだけれど、みごとみんなのあこがれの王子さまをゲットし、「黄金のモーターヘッドに乗って迎えに来てくださいね」とか平気でお願いできてしまうあの無邪気さは次女の特長なのかもしれん。
長女であるアトロポスは父を恨みながら放浪の旅を続けているわけで、まあ、可哀想ですよね。いちばん愛されて育てられた末っ娘のクローソーが奥さんがいるひと(コーラス三世)を好きになり、そのひとを失って永遠の眠りについてしまうというのも何だか象徴的。
そういうふうに考えるとこれも「女子の一生」を端的に描いた物語なのだなあ、と思えます。
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