「小説家になろう」で『そだ☆シス』という小説を読んでいます。

http://ncode.syosetu.com/n9144bk/

 てれびん(@terebinn)に奨められたんだけれど、これがとんでもない小説で、まあ異世界転生ものなんだけれど、ふつうの異世界転生ものと違って、いつまで経っても成長しない(笑)。

 いや、成長しはするんだけれど、ほんとうに遅々としてか物語が進まない。現在、連載141話にしてまだ5歳とかそこらだというのだから恐ろしい(ぼくはまだそこまでたどり着いてないけれど)。

 まあ、異世界に生まれ変わった主人公が可愛い妹を教育するというただそれだけの話で、いってしまえば『赤ちゃんと僕』@なろうなのですが、子育てに付きまとう苦労とかの描写はほとんどありません! ひたすらに幼い妹を可愛がるだけ。それだけ。

 ドラマツルギーがないんですね。それじゃあおもしろくもなんともないだろうと思いきや、意外におもしろい。すでに2万ポイント近いポイントを集めているのです。数千人の読者がいなければ達成できないポイントです。

 これはいったい何なんだろうと思ったんだけれど、毎日更新される姪っ子のブログを読むのに似ているんじゃないかと。もはや小説じゃない。いや、小説なんだけれど、通常イメージされる小説というものからはあまりにも遠い。ある意味、実験小説。

 こういう末恐ろしい作品が平気で公開されて人気を博しちゃっているあたりが、いかにもなろうだなあ、と思います。こういう作品を見て感じるのが、いままで新人賞などを通して世に出てきた物語というものがいかに物語全体のごく一部でしかなかったのか、ということ。

 この作品、新人賞だったらほぼ確実に落選したでしょうから、基本的にぼくたちが書店でこういう作品を発見することはありえません。しかし、これもやっぱり物語なんですよね。しかも相当におもしろい物語であるといえる。