弱いなら弱いままで。

短編小説のラビリンスに迷い込んでみませんか。

2017/11/26 07:00 投稿

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  • 小説
  • 田中芳樹
  • 栗本薫
  • 大原まり子
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 きょうは山本周五郎の記事が更新されているはずなので(予約更新なのです)、それに合わせて短編の話でもしたいと思います。

 その記事で書いた通り、山本周五郎は短編の達人でした。で、日本でも海外でも、文学者として名を成した人はそのほとんどが名作短編を書いています。

 SFやミステリといったエンターテインメント小説の世界でも短編は非常に重要です。短編は、単に「短い長編」ではありません。短いなかにぎゅっと内容を凝縮するためにはそれなりの計算と技巧を要求されるわけで、長編以上に精密なテクニックの見せ場なのです。

 そもそも、小説では(漫画でも)、構成の基本となるものは短編です。優れた短編を書く能力は作家の構成力の基本となるものだといっていいでしょう。

 20世紀最高の短編作家といわれたボルヘスの作品などを見てもわかる通り、短編が描ける世界は決して小さくはありません。必ずしも壮大な世界を描き出すために

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