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「ピーナッツ」原画(1957年9月22日) © 2013 Peanuts Worldwide LLC


20世紀のアメリカ文化を代表する作品として、世界的に愛されている『ピーナッツ』。お人よしのチャーリー・ブラウンと、クールなのに夢見がちな飼い犬スヌーピー、彼らを取り巻く仲間たちに出会える展覧会が、今年の10月、森アーツセンターギャラリー(東京・六本木)で開催されます。

日本初公開の原画が100点! かつてないスヌーピー展


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スタジオにいるシュルツ氏 Photograph by Tom Vano © 2013 Peanuts Worldwide LLC


作者のチャールズ・M・シュルツ氏が新聞連載漫画『ピーナッツ』を生み出したのは、今から60年以上前のこと。1950年から2000年まで実に17,897回ものエピソードが描かれ、シュルツ氏が引退宣言をした1999年には、その掲載数は75カ国で2,600紙にものぼりました。


Life is like an ice cream cone.You have to learn to lick it !(人生ってソフトクリームみたいなもんさ......なめてかかることを学ばないとね!)」なんて含蓄ある名言の宝庫であり、日本では詩人の谷川俊太郎氏が翻訳を手がけたことでも有名ですね。


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「リル・フォークス」原画(1949年) © 2013 Peanuts Worldwide LLC


美術館でスヌーピー展? と驚かれる方もいるかもしれませんが、演劇、音楽、ファッションなど多様なカルチャーシーンに影響を与えた『ピーナッツ』の評価は高く、1990年代にはパリのルーブル美術館で「Snoopy in Fashion」展が企画されたほど。


今回の展覧会では、シュルツ氏の子ども時代からのスケッチや初期作品「リル・フォークス」にまでさかのぼって創作の秘密に迫るとともに、『ピーナッツ』50年間の連載から厳選された原画約100点が日本初公開されます。さらにアニメーションでの展開やヴィンテージグッズなど、『ピーナッツ』人気の広がりにまで視野を広げた、まさに決定版といえる展覧会なのです。


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「ピーナッツ」原画(1950年11月25日) © 2013 Peanuts Worldwide LLC


こちらは、シュルツ美術館が所蔵する最古の『ピーナッツ』原画。のちの堂々たる2足歩行ぶりはどこへやら、まだ"犬"らしいスヌーピーの姿が可憐ですね。ニュアンスのある黒インクで描かれた原画は、シュルツ氏の存在を身近に感じさせてくれます。

『ピーナッツ』と日本のクリエイターのコラボレーションにも注目!

多くのアーティストにインスピレーションを与えてきた『ピーナッツ』らしく、たくさんの魅力的なクリエイターが関わっているのも本展の見所です。


会場には実際に使われていた椅子や道具をベースにシュルツ氏の仕事部屋が再現される予定ですが、ディレクションを手掛けるのは、西海岸のミッドセンチュリー家具に詳しいランドスケーププロダクツの中原慎一郎氏。さらに全体のアートディレクターをつとめるのは祖父江慎氏なので、カタログやグッズもきっとステキになるに違いない......と今からわくわくしてしまいます。


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テレビアニメーション 「スヌーピーとかぼちゃ大王」セル画(1966年) © 2013 Peanuts Worldwide LLC


展覧会の開催はもう少し先ですが、シュルツ氏にまつわるエピソードつきの写真が日替わりで登場する公式サイトや、隔月で刊行されるタブロイドサイズの新聞風チラシ『Ever and Never Times』を楽しみながら、スヌーピーを見習ってのんびり待つことにしましょう!


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「ピーナッツ」原画(1998年6月1日) © 2013 Peanuts Worldwide LLC

スヌーピー展 しあわせは、きみをもっと知ること。 Ever and Never: the art of PEANUTS公式サイト
開催期間:2013年10月12 日(土)〜2014年1月5日(日)※会期中無休
会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52F)
開館時間:10:00~20:00
Tel:03-5777-8600(ハローダイヤル)



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(文/田邉愛理)

RSS情報:http://www.cafeglobe.com/2013/07/031699snoopy.html