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暑い夏は涼を求めて...大人が読んでも怖い! 恐ろしくて美しい絵本3選

2013/07/16 19:00 投稿

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太陽がギラギラの本格的な夏が始まりました。早くも夏バテ気味の方もいらっしゃるのでは? エアコンの効いた部屋や冷たい飲み物よりもいいですが、涼を求めるにはやっぱり怪談や怖い話。今回は大人も楽しめる選りすぐりの怖い絵本をご紹介します。


『いるの いないの』(京極夏彦・作、町田尚子・絵、東雅夫・編)
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人気作家と実力派画家のコラボが話題を呼んだ岩崎書店の「怪談えほん」シリーズ。中でも秀逸なのが第3弾の『いるの いないの』です。


文章は京極夏彦氏、画は町田尚子氏が手がけています。物語は、おばあさんの古い家でしばらく暮らすことになった「ぼく」を中心に展開します。薄暗く古い家屋とたくさんの猫たち。「ぼく」は梁の上の天井が気になって仕方がありません。


「そう言えば昔の家は天井がやたらと高かったな」と古き良き日本に懐かしさを感じつつ、画の陰影に不安感を煽られ「いつ出てくるか」という王道的な展開にページを捲る手が止まりませんでした。


結末が気になる方は是非ともお手に取ってご覧ください。老若男女、トラウマになること間違いナシです。


『絵本 地獄』(宮次男・監修)
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続いては『絵本 地獄』(風濤社)。千葉県安房郡三芳村延命寺に所蔵されている絵巻物を元に、江戸の絵師によって描かれたものらしいのですが、作者不詳です。


物語は、死んだはずの五平という男がこの世に蘇り、垣間見た地獄の恐ろしさを皆に語って聞かせるという内容です。


まずは絵のおどろおどろしさに圧倒されました。大人でもビックリするほどの生々しさ。子どもが見たらトラウマになることは必至ですので、教育に使用するのは賛否両論かと思いますが、仏教を詳しく勉強したい人などにはおススメです。


本によると「人の話を最後まで聞かないで行動する者は火の車地獄に落とされる」らしいので、相手の話を遮って自分の話をしてしまう癖のある筆者は猛省したいところです。


『四谷怪談』(さねとうあきら・作、 岡田嘉夫・画)
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最後は怪談王道の『四谷怪談』(ポプラ社)。日本の物語絵本シリーズの第14弾です。


赤子の世話や貧困のせいで床に伏せっていることが多いお岩。夫の伊右衛門は彼女を疎んじ、ついには裏切って......という皆さまご存知の物語です。


凄惨ながら絵が美しく、まさしく大人向けの絵本と言えましょう。「歌舞伎は難しいから」と気後れしていた方にも易しい内容ですので、おすすめです。パートナーに読ませたら、もっと大事にしようと思ってもらえるかも?


 
怪談の夏は日本の夏。涼を呼ぶ大人の絵本で暑い夏を乗り切ってくださいね。 


(文/六島京)

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