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和食には「軟水」、動脈硬化予防には「硬水」...体調・シーン別、正しい水の選び方

2013/06/25 19:00 投稿

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人間の体は、60%が水でできていると言われています。水分補給をまめに行っている人は多いと思いますが、毎日飲んでいる水の種類をきちんと理解して選んでいる人は少ないのではないでしょうか。


どのように水を選べばよいのか、「今から始める水の選び方セミナー」にて、東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎先生と、アクアソムリエの山中亜希さんの話をお聞きしました。料理との相性や、体調に合った水選びについてご紹介します。


■非加熱の「軟水」がおいしい

水にはさまざまな種類がありますが、代表的なのが「軟水」と「硬水」。その違いは水の硬度にあり、水に含まれるミネラルの中でも量の多い、カルシウム、マグネシウムの含有量によって決まります。ミネラルの含有量が少ない水が軟水、多い水が硬水です。個人差はありますが、「日本人が一番おいしいと感じるのが軟水」と藤田先生。


ただ、日本で製造・販売されているミネラルウォーターのほとんどは、加熱処理をしているので、水のおいしさの決め手となる「酸素」や「炭酸ガス」が失われるそうです。海外から輸入されているミネラルウォーターは非加熱なので、より「おいしい」と感じられるとのことでした。


■和食には「軟水」がベストマッチ

軟水は「素材の味をそのまま引き出す」ことができるため、和食や日本茶によく合います。例えばご飯を炊くときには軟水のミネラルウォーターを使うと、ふっくらと甘味のあるご飯が炊けます。


「和風だし」も軟水が基本です。かつお節や昆布のうま味成分がほどよく抽出され、丸みのあるおいしさが出ます。それに対して、硬水だとうま味成分が溶けにくいことに加え、カルシウムやマグネシウムがうま味成分と結合することで、あくが出やすくなるのです。


■洋食に合う「硬水」は、動脈硬化を予防

一方、「硬水」は洋食にぴったりです。パスタやピザをはじめ、チャーハンやパエリアといった米料理でも中硬水を使うと、お米がパラパラになり、本格的な味になります。


また、中高年の方やコレステロールが気になる方にも硬水がおすすめです。カルシウムやマグネシウムを摂取することで、血液をサラサラにしてくれる効果が期待できるため、動脈硬化を予防し、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを減らすことができるからです。ただし臓器が未完全な赤ちゃんには負担が大きく、胃腸を壊す原因となるため適しません。


■疲れが溜まったときは「炭酸水」

「perrier(ペリエ)」などの炭酸水に含まれる重炭酸イオンは、疲れ物質(乳酸)を中和する作用があります。よって、激しい運動のあとや疲れが気になるときに飲むのがおすすめです。また、新陳代謝や血流を促進する効果もあるため、肩こりや冷え症に悩んでいる人はチョイスしてみてください。


■赤ちゃんのミルクに使ってはいけない水

赤ちゃん用のミルクで絶対に使ってはいけないのが、「水道水を煮沸したもの」と藤田先生。煮沸することで硫酸塩の濃度が濃くなり、ブルーベビー症候群(酸素欠乏症)になる可能性があるそうです。そしてミネラルを多く含む「硬水」も臓器が未完全な赤ちゃんには負担が大きく、胃腸を壊す原因となるため適しません。


アクアソムリエの山中さんは、ご自身の赤ちゃんには「軟水のミネラルウォーター」を使っているとのこと。ミネラル分が多すぎなければ問題ないようですが、気になる場合は、ミネラルを含まない赤ちゃん用の「純水」もありますのでチェックしてみてください。


このように、水の種類によって体に与える影響は変わってきます。そのときの体調や置かれた状況によって、自分に合った水を選びたいですね。


photo by Thinkstock/Getty Images


水と生活プロジェクト


(取材・文/尾越まり恵)

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