友人や家族ではなく、その道の"プロ"に相談がしたい――。
そんな働く女性のお悩みに答える連載「お悩みキャリア相談室」では、株式会社Waris(ワリス)共同代表、キャリアカウンセラー、ライターでもある田中美和さんが、読者のみなさんのお悩みに答えます。
第15回目のお悩みは......
45歳、未婚です。今の会社に管理職として入社間もない頃から、職場の上司たち(家族経営)の確執関係を毎日のように目の当りにしてきました。それでもなんとか楽しく仕事をしてきましたが、直属の上司(社長の姉)がとうとう解雇されてしまいました。その後、先月から社長の妻が私の直属の上司になりました。
彼女が直属の上司になってからというもの、前上司の悪口に加え、ほとんど毎日"能無し"のように言われ続けてきました。前上司の解雇後、1カ月分の残業を提出すると「来月から残業をするな」というようなことも他の職員に言ったそうです。こんなことが続き、とうとう自律神経を崩してしまいました。
まだ入社半年足らずでこんな思いをするとは思いもしませんでした...。これは、いわゆる"パワハラ"にはあたらないのでしょうか?【45歳、Kさん、九州在住、専門職】
暴力・暴言・無視...パワハラの定義を確認して
一人で抱えこまず、まずは相談を
昨年、厚生労働省が定めた"パワハラ"の概念は次の通りです。「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」。
具体的には6つの典型的な行為に分けられます。
1. 身体的な攻撃(殴る、蹴るなど)
2. 精神的な攻撃(脅迫、暴言など)
3. 人間関係からの切り離し(無視、隔離など)
4. 過大な要求(業務上明らかに不要なことや、遂行不可能なことの要求)
5. 過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
6. 個の侵害(私的なことに立ち入ること。恋愛・結婚や家庭生活などに関して立ち入ること)
Kさんが受けている行為は、「2. 精神的な攻撃」に該当するように思われます。「パワハラかな?」と思ったら、まずはしかるべき機関に相談してみましょう。
Kさんの会社には労働組合はありませんか? あれば、ぜひ相談してみてください。それぞれの自治体が「労働相談コーナー」を設けていますので、インターネットなどで検索して、相談してみるのもいいですね。また、厚生労働省も全国各地にパワハラや解雇の問題を相談できる総合労働相談コーナーを設けています。各地の労災病院における無料の電話相談もありますよ。1人で抱え込まず、まずは相談することから始めてみてください。
photo by Thinkstock/Getty Images
(文/田中美和)
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