8月6日(水曜)

 

 ワタシが知る限り、震災の前から現在まで活動が継続され、尚かつ震災の影響を一切受けていない日本で唯一のバンド、THE ELFのライブでした。勿論言うまでもなく念のため、これは批判の筈も無く、また称揚の筈も無く、ひとつのキャラクター強度でありまして、濱瀬元彦先生の知性、その質と、それを音楽という実行と切結ぶ、非常に強靭な音楽性であると感服しています。


 どんな芸術もそうですが、外装と内実が分離しがちです。THE ELFは「早く、正確に、強く」という一種の機械性や超絶技巧性やリゴリズムといった外装=餌を、ある種の人々に確実に与えますが内実は先生がことあるごとに仰っているように、無調という一種の無限に投身するという行為を各プレイヤーに課する完全な前衛だと思います。無調が自動記述や盲目的なリビドー噴出にならぬように律するための倫理をジャズの歴史は追い続けてき