santafede33 のコメント

「映画の予告編のようだ」という言葉を今年は何度か聞いた。あらゆる場所で。様々なコンテクストで。

ラテンアメリカにおける現代スペイン語の変化は激しく、その根幹には日本のカルチャーの影響が大きい。
例えば、Tokioという単語は、もちろん、東京を意味する単語なのだが、最近では、Todo(すべて)という単語の意味でも使われる。音が被っているので使われているということもあるが、日本人として日本を外から眺めていると、Tokio(東京)がTodo(すべて)の代わりになるというのは、面白い現象であると感じる。
Vamos con Tokio/todoで、頑張るぞ!の意味である。
すべてを捧げて。

その現象を動かしているのは、日本に対する憧憬を持っている人たちの力だ。最近では、日本語がそのままスペイン語に流入している。「カワイイ」どころの騒ぎではない。こちらで10年前に出会ったあるメキシコ人は言った。夢、は日本人になること、と。憧れの力は強い。

島国の方が一般的に変化に敏感でTokischaがドミニカ共和国(のゲットー)出身というのは面白い。ドミニカは、島国なのに国土をハイチと二分しているので、互いに「逃げ場がない」。そんな逃げ場のない彼女の快進撃は、そのルックが多分に影響しているし、そのスタイルは日本への憧れを隠さない。そのラップは、非常に素晴らしい。スペインからやってきた言葉を更新している。ナルココリードとの相性もいい。ナルコはどこまで言っても東映から抜け出せないのを、上手くすり抜けている。大陸はいつも島国に教えてもらう。

ゴダールの追悼番組を聞きました。素晴らしい出来ですね。驚きました。是非、対談のすべてを聞いてみたいと思いました。
思ってもみなかった消費のされ方を全然別の場所でするというのは強度が強く、そのことに改めて気付かされました。こちらでは一切の追悼番組は行われておりません。追悼上映もほぼなしです。まるでいなかったかのように。白眉は、菊地さんの仕組んだインタビューですね。どれも素晴らしかった。

五所純子/菊地成孔
Cutie/蓮實重彦
浅田彰/菊地成孔
J/L/G/M/D

番組を聴いていて「演奏」(私たちの場合は撮影ですが)と「編集」の関係性を考えてしまいます。番組中何度か音声のカットアップの「編集」が施されていましたが、ラジオで流れたペペの追悼公演で行った「編集された演奏」はまるで違いました。一番、聞いていて、しっくり来るのが、並べて聞くと浮かんでくる気がしますね。何度か聞き直してみたんですが、ペペの追悼公演での「編集された演奏」は素晴らしいですね。見に行けた方々が羨ましいです。(チャンネルで見てますが、それでも素晴らしいですね。大阪も良かった)

今年が素晴らしい出来になっているの、あと数日残していますが、最後まで確かに拝見しました。大変、元気をもらいました。ありがとうございました。正続で言いますと、今年が正、来年が続になると思いますので、この調子が続くかと思って大変楽しみにしております。

来年はナルメシ、ナルズキッチンの凱旋を楽しみにしています。今度、是非、菊地さんが考える辛味の使い方を見てみたいです。また民はペペトルメントアスカラールの中南米への帰還を楽しみにしています。民の声をお届けします。

今年のご活躍、大変勇気と元気をもらいました。亡くなる方も多かった年ですが、今年生み出されたものに何度も震えました。

Descansen en paz a todos los anarquistas de nueva ola.

来年も大変期待しております。

No.4 24ヶ月前

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