菊地成孔(著者) のコメント

userPhoto 菊地成孔
(著者)

>>4

<ちょうど先日、シャンタル・アケルマンの二本立てを観たところです。この監督をまったく知らなかったのですが「囚われの女」「オルメイヤーの阿房宮」観てみました。どんな原作からこの映画になるのか、両方とも原作を読んでみようと思っています>

 今、再評価が非常に高まってますよね。フェミニズムだから?まあ彼女の作品の評価はさておき、映画の「原作」はそれこそ、ゴダールの映画のほとんどにあるんですよね。「原作の換骨奪胎」は、ある意味、僕の仕事である「映画監督と音楽監督(と女優)の関係」と並ぶぐらい重要であろう「映画監督と原作者(主に小説家)の関係」を、音楽よりも強く体現していると思います。川島雄三の作品も、ほとんどが「原作小説の換骨奪胎」で、原作者から文句言われ続けてますね笑。


<菊地さん、浅田さんのゴダール特集、楽しみにしておりますが…>

 コレはTFMのクリスマス特番のことか、それの文字起こしを掲載する権利を持ったエレキングのことかわかりませんが、いずれにせよ、番組、あるいはその号の主格ではありませんで、特にTFMに使われるのは3時間のうち10分ぐらいだと思います(「完全版」をネットに流す。とかなんとかいう現代的なアレもやるみたいですが)。


<先日、仕事関係でのお食事会でその中の一人の方と思いがけず映画の話で盛り上がりつつも、それが他の方々はほとんどご存知ない類の内容だったので。あわてて方向転換すべく、どんな監督がお好きですかとの問いに、とりあえず適当に(ごめんなさい)ゴダールの名前など出してみたものの、さほど場の空気の入れ替えにはならず、反省、というが映画の趣味嗜好は人に語るのは難しいと実感しました>

 まあ、ゴダールは自死したんでね、最後のブーミングになりましたよね。「とりあえず」が最も似合うタイミングと言えるでしょう。でも、映画も文学も音楽も、集団の場で部分的に盛り上がりが生じた場合、それが全体を包括することって、もう現代ではないですよね笑。昔はあったんですよ!小津の話とかで!

<好きな映画のことなど、とてもひと言では語れません。>

 おっしゃる通りです。僕はドミューンで町山さんと「気狂いピエロ」について話した時、膨大な知識とか狂気のマニアとか言われましたけど、1000分の1しか話してないです笑。

 TFMは日記にある通り、最初は軽いものだとおもてたのでDJマインドで引き受けましたが、正規の追悼文はまだ書いていません。情報筋によると、ミエヴィルは書かないそうなんで、だったら書こうかなと思いますが、逆に1000文字とかに限定しようと思っています。コレは佐々木敦っちゃんへのディスではないですが笑、ゴダール本なんか書いちゃうと、山脈に埋もれて死ぬじゃないですか笑。僕に川島雄三の本を一冊任せてくれる出版社いないかなと思っているところです。

No.8 22ヶ月前

このコメントは以下の記事についています

継続入会すると1ヶ月分が無料です。 条件を読む

ビュロー菊地チャンネル

ビュロー菊地チャンネル

月額
¥880  (税込)
このチャンネルの詳細