菊地成孔(著者) のコメント

菊地成孔 菊地成孔
(著者)

>>20

<菊地さん、こんばんは。
僕は反自民・反安倍なので、今回の事件を知った時には、正直ざまあみろと喜んでしまいました。(麻生がやられたならもっと喜んでいたでしょう。)>

 非常に素晴らしいですね。「死んで欲しい」と願った人間が死んだ時、「よかった」と言うのは健康的だと思います。ただ、あの犯人が安倍さんを殺したいと思った目的や感情と、痛風さんの思想や感情とはやや違うと思いますね。

 僕も死んで欲しいやつはいるんですよ笑、そいつがね、交通事故で死んだら、ザマアミロとは言えないですね。言えるのはどう言う時かなあ?僕が殺した時だけかな笑


<しかし、やはり殺人はよろしくないし。暴力は民主主義に対する重大な挑戦とも思い、今はなんだか釈然としない、複雑な心境です。>

 殺人はよろしくなくないとは断じられませんし(一般論としてね。あの犯罪はダメですけどね)、そもそもあの犯人、民主主義に挑戦なんか全くしてないですよ笑。妄想に取り憑かれただけ。「タクシードライバー」って言う映画見てみてください。もうネットで誰かが言ってると思いますが。

<こんなひどい世の中では、人々の心が解離してしまうのも、無理ないのではと思います。>

 いやあ、ひどい世の中なら、変えないとね笑。今回、まあ、それこそ「仕方がない」ですけど、「民主主義への冒涜だ」とか「許せない」て言うのは、一番ダメでしょうね。

 わざわざ言わなくたって、あんなもん許す時空間なんて宇宙のどこにもないですもんね。それに、思想犯や政治犯でないのは明白なのに、政治家が殺害された一点だけで、過去の類例と結びつけてしまうのは愚昧ですね。ある一般人がネット見て妄想を抱き、公明党のトップを自家製の銃で射殺したとしますね。彼は思ってるわけですよ。自分の苦しみの根源が創価学会にあると。具体的根拠はないけど、ネットに書いてあるから。それをして「日本仏教界への冒涜だ」と言うのと一緒です。

 僕がステージで射殺されたとしましょう。ネットになんか書いてあって、僕に殺意を持った人が手製の重火器を作ったと。DCPRGがまだあったりしたら、背後から撃てるからね。それを「インパルスレコードへの冒涜だ」と言ってるのと同じです。

 犯人はおそらく、インパルスレーベルはおろか、日本ジャズ界ですら冒涜したいとも思ってないだろうし、冒涜行為もしてないですよね。僕をレイシストだから殺したと思ってるかもしれないし、自分の愛する人が僕の本ばっかり読んでて、盗み読みしたら、自分の悪口が書いてあった。とかの方が可能性高いんじゃないですかね。こんな寂しくて悲しい話ないですよ。

 安倍さんは本当に気の毒です。唯一、蜘蛛の糸ぐらいの救いがあったとしたら、びっくりしたままほぼ即死だった。という点じゃないでしょうか。政治活動ができないほど、潰瘍性の大腸炎は痛く苦しいんですよ。心臓や頚動脈に、あんなデッカくてワイルドな弾丸打ち込まれたら、痛いと思う時間もなかったと思いますよ。ドクターヘリはフェイクとは言いませんが、死体搬送しただけだったんじゃないですかね。

 極めて現代的な事件で、現代的な事件というのは極めて現代的ですから(打ち損じているのではありません笑)、現代的に処理されるでしょうね。解離の能力はフル稼働でしょう。

No.21 28ヶ月前

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