菊地成孔(著者) のコメント

菊地成孔 菊地成孔
(著者)

>>5

 というか、瀬川先生よりも三谷晴美(生まれ年の話をするので)のが2つ年上です。大正11年と13年ですね。この間の大正12年に何があったといえば、関東大震災です。

 ですが、三谷晴美は徳島県生まれで(確か、ですが、実家が仏具屋だったはずです)、震災は経験していませんが、瀬川先生は東京ですから、震災で焼け野原になった東京が、物凄いスピードで復興してゆく中で生まれました。

 のちに先生は学徒出陣で海軍に入営しますが、先生の青春期は、日本が軍国主義化してゆく過程そのもので、それは少年時代から愛好していたジャズ文化が、どんどん禁圧される過程でもありました。先生は、禁圧化、自室でこっそり、収集していたジャズレコードを聴きまくっていました。

 瀬戸内晴美(この当時は瀬戸内生になっていたはずなので)は戦時中に結婚し、夫の勤務先である北京に移り、北京で出産しています。

 ここに、遊び人文化のど真ん中に足場を置き、障害それが揺るがなかった先生と、戦時中も愛とその苦悩に行きた瀬戸内寂聴の違いがあります。関東大震災と、太平洋戦争による東京大空襲を経験したかどうか、何を人生の主眼としていたか。

 因みに、日記中、瀬戸内寂聴が喫煙しているように書いてしまいましたが、実際は、「酒と肉」ですね笑、何れにせよ、結局ストレスが人の寿命を決めているとしたら、瀬川先生にあやかりたいですね笑。

No.8 31ヶ月前

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