菊地成孔(著者) のコメント

菊地成孔 菊地成孔
(著者)

>>17



台詞が全てではありませんが、台詞が世界の仕組みの一端を示すことが出来る、そんなことを思いました。会話ではない、台詞のやり取りに、いかようにも発生してくるドラマの生々しい姿がありました。

 ↑ 従来コレは、演劇が担う役割だったんですが、今は新しい演劇が余りにも実験的すぎるか、余りにもエンタメすぎるかで、演劇が本来持っていた力は、映画に流れたり、漫画に流れたりしていると思います。


当国のシネテカに愛されているホンサンス、最新作までほぼ全ての作品を上映しております。

 ↑ 驚きました

ため息が出るような出来の各作品、驚くべきは、毎回毎回、自作を更新していっているという化け物感。

 ↑ 本当ですよね。でも、もっと恐ろしいのは、レトロスペクティブで見ると、均質感もあることです。


番組中に出されたシーン、ホンサンスの映画済みであれば、どんなカメラ位置なのか想像に容易く。あのズームワークも。ペン大の授業中のやり取り、私はどんな教室なのか知りませんが、一度ズームインしてから、ズームアウトしました。コンビニからパンを買って出たところでも、一度、ズームインしました。キクチニナルヨがパンを囓ってました。

 ↑ ホン・サンスはあの「異様なズーム」を、「性別を取り去るためだ」と言っています。大変びっくりしました。


いかにナルコを抜くのか。あの強烈な、ドラマツルギーの権化のような存在を。それは平行世界としての、暴力の存在しない、南の合衆国。平和ボケしたラテンアメリカは可能なのか。

 ↑ 北米も平和ボケしてないですからね笑。「平和ボケ」は、意外と世界的に貴重な状況かもしれない、と思っています。


68年の当地のオリンピックは、様々な理由により、10月に開催され、その一週間ほど前に学生や運動に参加した人々が集合住宅の広場に集まり、沢山、殺されました。悪い奴らがいます。今後の何かの参考になれば幸いです。市川崑の撮った東京オリンピックが何かを映したように、Isaacの撮った68年のオリンピック映像にも何かが映り込んでいます。

 ↑ いやあ、大変勉強になりました。ありがとうございます。

No.22 43ヶ月前

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