うに のコメント

>>13

寺門ジモンいますね!笑 気づいてませんでした笑

菊地さんがハッピーアワー論で書かれていた第三リアルという概念、濱口監督に関する情報が無いまま書かれたかと思いますが、のちに監督のインタビュー等を読んだところ、かなり意識的にやられていたことが分かってきて、その後の作品に物凄く期待していたのですが、個人的には『寝ても覚めても』ではあの第三リアルの感覚が消えてしまっているように感じました。単純にドキュメンタリー色が薄い、ということかとも思いますが。

蓮實さんがホン・サンスについて「作品全体としてどうかというと疑問を禁じえません」と書かれていたことと、『寝ても覚めても』を高く評価されていたことと、今回のラジオデイズと、菊地さんがMCU論で書かれていた「2キャ経」という概念を考え合わせると、映画というものの面白さの分岐点に来ているような気になってきます(「2キャ経」という概念は、その頃、すごく観たいと思える現行の映画がマーベルものかホン・サンスか濱口監督の作品くらいしかなく、市民がネットで批評を投稿し続け、権威側の映画批評がほとんど面白いと思えなくなっていた私にとって、なるほど、これは凄い概念だ!と、とても腹に落ちるものでした)。

ライジオデイズで知って藤井風さんのYouTubeを見てハマりましたが(マライヤキャリーのカバー、凄いですね)、あれには、藤井さんのキャラもありつつ(よく知らなくてもだんだん分かってくる感じ)、あの画質や音質、電子ピアノの感じ、手の動き、部屋の置物等々から醸し出されるなんとも言いようのない面白さから、次々と見てしまうという意味で、市民レベルの第三リアルが2キャ経へ合流していく流れを感じました。

今回の自然主義カメラによる第三リアルの創造というテーマは、菊地さんがハッピーアワー論のワークショップシーンの分析で着目したような面白さとほとんど同じものだと思いますが、そこに2キャ経的な価値体系が合わさったときに、蓮實さんが言われるのとは違う意味で、作品として面白い、という感覚を生むのかもしれず、そのことと、蓮實さんが2キャ経的なものにあまり興味がなさそうなこと(蓮實さんについてそれほど詳しいわけではないので勝手な想像ですが)は関係があるのかもしれない、と思ったりしました。

ちなみに、菊地さんがMCU論の最後に書かれていた2キャ経の飽和状態から望まれていた国家の介入というのが、結果的にはコロナに伴う国家的な施策だったとも言えると思いますし、それによって前衛映画の側寄りの第三リアルというものの価値が高まりやすい状況になったような気もしています。『ビーチバム』は凄く良かったですが、そういった状況とも関係があるのかなと思います。コロナ前ですが、おでんツンツン男とかは、YouTube版のリアルなムーンドッグなのかもしれないと思いましたが、逮捕されますし、映画は安全でいいですね笑

佐藤兄弟、私の検索能力が低いのか、検索しても全く情報が見つかりませんでしたが、ぜひ観てみたいと思いました!
映画評論家の相田さんというのは、相田冬二さんという方のことでしょうか?

No.18 41ヶ月前

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