うに のコメント

ラジオデイズ31回目、凄く面白かったです。

ホン・サンスの映画を観ていると、普通のシーンでも恐怖や不安を感じることが多いのですが、それは、常に「今」を凝視させられると同時に、人生全体の時間を俯瞰するような視点(時間の混乱・切断による)があり、その2つがフィードバック回路みたいに働き続けることで、「人は常に何かを忘れて生きている」というあまり穏やかではない事実を認識させられることと関連するのではないかと感じています。菊地さんが書かれていた同一性障害とも関わるかと思いますが、今回の自然主義カメラというのも、全ての人がカメラの被写体であるという意識を持つことで、日常を構成しているコードのようなものが解かれていく感覚をもたらすのかもしれないと思いました(ホン・サンス初期作品に関する菊地さんのインタビューは、初期作品特集をやっている劇場で買えるパンフレットで読めるのでしょうか?)。

ゴダールの、自分のなんでもない1日を撮れば映画になる、というのは、実際にそれで面白い映画を撮るとなると、ホン・サンスや菊地さんのように、セルフイメージが世間でどのように映っているかを自分でどのように認識し、そこからどのようにドラマ性を抽出するか、というようなセンスがモロに出るかと思うので、とても難しそうだなと思いました。ゴダールの『JLG/JLG』もそんな作品かと思いますが、ゴダールという人のイメージが難しすぎてなかなか気軽には楽しめないです笑
今回の菊地さんの1日も、マイルスの1日も、凄く面白いと思いました。ペン大の講義のシーンは『ハッピーアワー』の朗読会の凄く普通の感想を言う人のシーンを思い出します。
おたけは泣けば今後も残る、はかなりウケました!

No.11 42ヶ月前

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