菊地成孔(著者) のコメント

菊地成孔 菊地成孔
(著者)

>>2

 うううー笑、これは最初お返事を書いたら5000文字になっちゃって破棄しました笑。58年から71年までの明るく楽しい東宝PP(プログラムピクチュア)の愛好家としては、他社のものは見ない!東宝でさえ文芸ものは見ない!ぐらいの意気が必要だと思うんですが笑、僕は浮気なので笑、川島雄三の日活時代(一般的にフランキー堺主演の「幕末太陽傳」が傑作とされますが)「洲崎パラダイス赤信号」は、現代版の幕末太陽傳と言うか、どちらも売買春を扱った多元宇宙の両端であると思います。川島監督は天才ですが、夭逝しました。生きていたら鈴木清順みたいな活動をしていたかなと思います。

 この作品はPPではありませんが新珠、三橋のみならず、のちの東宝PP特に「社長シリーズ」で活躍する河津清三郎がメインキャストですね。彼らはこぞって東宝PPに身を投じますが、彼らがどうのこうのと言うより、日活の川島文芸作、と東宝のサラリーマン喜劇PPではもう、世界が違いすぎて比較ができないほどです。でもおそらく、3者共に「川島組での仕事はよく覚えてるが、東宝のPPは何をやったか覚えていない」と言うでしょう。実際に、東宝PPのDVDコメンタリーに登場した俳優、女優は口を揃えて「当時のことは(撮影が忙しすぎて)覚えていない」と語っており、「それより」と言って思い出深く語るのは、芸術よりの文芸作の話です。僕は何て言うか、音楽もそのぐらいの方が良いんじゃないかな。と思っています笑

No.4 45ヶ月前

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