虎山 のコメント

>>22
お返事くださり、ありがとうございます。

 これもこれで馬鹿者の弁なのですが、僕はあのビデオの冒頭のシーンを「むむむ、これも合成では……??」と最初は思っていたんです。書物とCDの山はセットであり、その上に別撮りの菊地さんが合成されているという風に(合成すると3D効果が出てある種の眩暈に似たものを感じさせる面白さが出るのでそれを狙ったのかな?なんて思って。違ったわけですが、菊地さんがお召しになられていたシルクのシャツは輪郭線を生みますね。そんでヘアスタイル(柔らかくウェーブして少し乱れた黒髪)と合わさってとても良いですね。)。それでビデオが進んで別の場面で同じ事務所でしょうか、その階段と書庫が出てきて、やっと疑いを解いたんです(笑)。それくらいに僕にはあの場面が人工的に見えました。

 (私事なんですが、僕は以前、自分のブログに使う写真を撮るのに、狭い自室にあった物をかき集めてある種の祭壇と言うか、ヴァニタスと言うか、ユイスマンスの『さかしま』だぁ!なんて思ってお気に入りの本やら額縁やらを並べたことがあって、こういう自分の部屋にあるものをつかったオブジェを作るのはすごい労力がいりますよね……)
 
 正直にいうとビデオが始まって3秒は「うお、乱雑!」と思ったのですが、すぐに心は上記のほうに行きまして、なにやらフランスの料理の調理の大辞典のようなものがあって「これは菊地さんの文章にたまに登場するあの料理辞典では!?」となったり「ポロックの画集ぽいものがある!」(これもこのセットのヒントですよね)となりました。ファンとしては(例えになってしまいますが)菊地さんがなにかを料理するのに、下ごしらえはきちんとするかたなのは知っているので……。ファンとしてはあの場面は、自分の両の手で頭の上で大きな〇を作っております。そういうことを知らなくても、やはり汚いと書き込みまでしてしまうのは、アホです(書き込んだ人には怒りなどはないですけれど)。

 ファシストについては、昔の話ですが自分でもそれこそツイッターでつぶいたことなどがあるのに、アーティストの人がそれに触れると、正直に言いまして僕はひやひやしてしまうのですが、菊地さんが説明して下さったことで、膝を打って理解しました。それまでは菊地さんがお書きになっていたファシズムへの言及は分かる/分からない、といった感じだったんです。ここまで書かないと分からないか、というご気分かもしれませんが……。

 「渋谷の交差点……」のような成分は僕の中にも幾分かはあり(もちろんこういう事態になる前からです)、通常はそれは冷静に分解されていくのですが、その成分を使って例の書き込みの彼に移入すると、きっと床に敷かれた書物やCDを整頓して平置きで塔のようにおいても「そういうのは本棚にしまえ!」となるし、本棚にしまっても「きちんと背の順やカテゴライズして並べろ!」となるし、整頓して収納しても「収納にはフタをして中身を映すな!」となるし、それをしても「部屋に収納を置くな!」となりうるし、それは行き過ぎた想像だと笑えるのも今だけかもしれない。となります。現に、僕はまな板にいちいちアルコールは書けませんし、手袋もしませんが、している人がいるならば「しっかりしてるねぇ」程度には思えています。

 こういったことは言葉の乱れが許せないとか、文章においてフォーム(句読点や記号の使い方の決まりなど)だけが立派になってそれを破る人が許せないとか、音楽においては最後は2拍子のマーチでしか身体を動かせなくなる(それとは反対の位置にポリリズムがある)ことと繋がり、これが内面のファシスト化なんですね。(それとファシスト/ファシズムと戦争や戦場は一致しない、という当たり前のこともはじめて考えました。というかファシズムの抑制が爆発するのが戦場なんですね(そして戦争でも負ける))

 タバコはいまでは、公共の場所ではそれを吸う場所が本当に窟のようになり、またニオイに関しても比較的アンタッチャブルだった女性の加齢臭が問題とされ(構築主義的)、それに関するヒット商品(コロンやパフュームで飾るのではなく、無臭の方向に行く)も一般のドラッグストアで売られるようになると、どんどん進んでいっていますね。

 なにより、ファシストにアゲインストする意味というか、その方法が分かりました。あと真逆に向かうと同じようなものになってしまうことも。

 僕は冬だけは鼻うがいもするのですが、ネイティポッドの存在は初めて見ました、世界は広いですね……。調理服に関する文章も楽しみにしております!

No.37 48ヶ月前

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