>>20 っていうか、あの部屋の演出は、「汚い」とか、いわゆる汚部屋系じゃなくて、90年代のオタクの部屋というか、「好きなものでいっぱい!」感のつもりだったんですよね笑。あくまで昭和の赤ちゃんである僕の定義では、確かに汚部屋というものはありますが、そこには腐りかけた残飯、ペットボトル、使い終わってくしゃくしゃになったティッシュ、意味不明の生ゴミ、万年床、といった、細菌の豊かな発生笑、を生み出すような、オーガニック笑な物がないと成立しません。あと、それこそ潔癖に言えば、生ゴミじゃなくても、ゴミ(クシャクシャにした書き損じの楽譜とか)があったら人が見て生理的に不快だと、僕も思います。 あの部屋は、(笑われるかも知れませんが笑)「オシャレな、オタクの部屋」という演出意図で笑、勿論、臭いもないし笑(実際に僕が一人で手作りしたんでわかりますが笑)、「ゴミ」は一つもありません。単に物が溢れ帰り、雑然としている感だったんですね。そこに(知る人は知っている、それほどモノ的な意味でオタクでもない)僕が寝そべっていると。まあ、洒落た感じだったの本人笑。 僕が受けたショックは、そうした部屋に対して「汚い」と感じ、「掃除しろ!」とコメント欄とは言え怒鳴れる。ということです。もっと絞り込むと、前者だけかな(後者はまあ、いわばもう普通のことだから)。やっぱり相当な潔癖症だと思いました。しかも、勘の良い笑、僕はすぐにわかったんですが、彼(彼女じゃないと思います)は、病的な潔癖症ではなく、そこそこ普通の感覚なんじゃないかな?ということなんです。 <病んだ潔癖症の人が怒鳴っている。何かを命じながら>というのは、まあまあ、今の時代なら、カテゴリー広く取れば普通のことでしょう。ただ彼は、苛立ってもいるだろけど、僕に欲情しているわけでもないだろうし(僕のファンの方だったら、きれるかどうかは別として、あの部屋、「汚く」見えないと思うんです)、おそらく何かが「怖かった」んだと思います。 それはきっと、リモート時代において、(おそらく)どんな芸能人さんも、一般人さんも、きちんと整理整頓された、要するにエントロピーの高い、シャキッとした状態を見せており、それが平均値化していると思うんですね。だから僕は彼の感覚は、欲情によるセク&モラハラというよりも、渋谷のスクランブル交差点に、まだちょっと歩いている人がいますね。あれを見て「こいつらみたいな奴がいるから、感染がゼロにならないんだ!不謹慎でだらしない奴らだ!」と叫んでいる人と同様、もうすでに内部がファシストである人々の感覚を感じて、怖くなったんです。 ファシストは恐れています。全体が向かう方向に従わないやつを。なので、彼は前述の通り、挑発的に(しつこいようですが、本人「オシャレ」のつまりだったんですが笑)、「全体」が向かうべき、「リモートで(あれリモートじゃないけど笑)人様に部屋を見せる時には、整理整頓されていないといけない」というディシプリンに反抗した奴が出てきて、あまつさえ、何らかの力を持ってそうだ。と思ったんじゃないかな。それで「恐怖感」が綺麗にパスされたと。そういう事の次第ではないかと思います。僕と彼は繋がったの。互いが、互いの倫理観や社会観を揺さぶる、禍々しい存在として。 僕が20代の頃、「デオドラントヒステリー」という言葉があったんです。それのきっかけは「料理の後に、まな板に殺菌用のアルコールスプレーをする主婦がいる」「その主婦が、刺身を切るとき、食器洗いの時のゴム手袋をしている」ということでした。 今では(特に!今では!笑)、、、、そうだなあ、、、、普通?、、、、なことですよね。少なくとも「ヒステリー」なんて言われません。 デオドラントヒステリーは、最初はその名の通り、病理と捉えられていました。しかしだんだんと拡散し、大きな支流として「嫌煙権」という急所を攻撃しだしました。ご存知の通り、60年代の東宝サラリーマン映画なんか見ると、男性も女性も、会社に着くなりまず一服。仕事にトラブルが発生してまず一服、喫茶店で待ち合わせたらまず一服、という感じです。 この状態を絶滅させたのがデオドラントヒステリー(清潔ヒステリー)を本部にもつ、嫌煙ヒステリーという分社です。今は、病理から倫理へと昇格し、大変な圧力を持った実力団体にまで成長しています。 昔、「ホタル族」という部族がいました。彼らは全員が「お父さん」で、子供や奥さんやペット、つまり他の家族からの圧力によって、大好きなタバコを、好きな座椅子の上や、ダイニングキッチンや、枕元なんかで自由に吸えなくなり、ベランダに出され、窓は密閉されて、そこでタバコを吸うしかなかったので、夜、あらゆるマンションのベランダで、ホタルの大群みたいに赤い光が見えたのね笑。 彼らは最初、同情対象でした。今ではホタル族は、誰にも強要されず、独り住まいの者までが、進んでホタルになっています。部屋にタバコの匂いを移したくないから。 僕は全く別の事情でタバコをやめたので(マイコプラズマ肺炎。マイルスも罹った、結構な激症のある細菌性の肺炎です。マジで死ぬかなオレ?と思いました笑)、「嫌煙権」のサーガに関しては、まあ、ほぼほぼどうでも良いです。ただ、嫌煙権がデオドラントヒステリーという本社を持つこと、その本社は、「嫌な匂い」と「目に見えない病原体」の2つの排除を社是とした。ということを忘れてはいけません。「ファンク」という単語は、黒人の朝は臭い。という意味です。 僕は自由業だし、労働者が(タレント側は)僕しかいない都合上、インフルエンザにかかることが許されず(それでも罹って仕事飛ばしたりするけど笑)、もうこの30年ぐらい、毎日手を洗い、うがいをしています。これは花粉症にも良いから、まあ、良い習慣なんですが、最初は「これ洗浄強迫みたいだな」と、思っていました。鼻うがいなんかは大好きで、ヨガをする者は、ネイティーポットという、鼻うがい専用の陶器の道具を使いますが、別れた元妻はヨーギになったんで、一個もらいまして笑、愛用しています笑。 過剰な潔癖さがファシズムに結びつくかどうかの話は簡単ではないです。上記の通り、オンタイムでは泡沫候補だった者が、やがて体制を握ったり、一般的な社会通念に昇格する可能性が常にあるからです。間違い無いのは、糞尿愛好者(ハードコアスカトロジスト)の人々は、こうした動きに対して、極北の位置に立つ人々であり、彼らもまた、仇敵は似る原理によって、デオドラントヒステリーや洗浄強迫患者と、どこかが似ているのでしょう。 ネタバレはいけませんが、コックコートと可愛く無い、機能的な素材とカッティングのエプロンを買いました笑。次回はその話をします。
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>>20
っていうか、あの部屋の演出は、「汚い」とか、いわゆる汚部屋系じゃなくて、90年代のオタクの部屋というか、「好きなものでいっぱい!」感のつもりだったんですよね笑。あくまで昭和の赤ちゃんである僕の定義では、確かに汚部屋というものはありますが、そこには腐りかけた残飯、ペットボトル、使い終わってくしゃくしゃになったティッシュ、意味不明の生ゴミ、万年床、といった、細菌の豊かな発生笑、を生み出すような、オーガニック笑な物がないと成立しません。あと、それこそ潔癖に言えば、生ゴミじゃなくても、ゴミ(クシャクシャにした書き損じの楽譜とか)があったら人が見て生理的に不快だと、僕も思います。
あの部屋は、(笑われるかも知れませんが笑)「オシャレな、オタクの部屋」という演出意図で笑、勿論、臭いもないし笑(実際に僕が一人で手作りしたんでわかりますが笑)、「ゴミ」は一つもありません。単に物が溢れ帰り、雑然としている感だったんですね。そこに(知る人は知っている、それほどモノ的な意味でオタクでもない)僕が寝そべっていると。まあ、洒落た感じだったの本人笑。
僕が受けたショックは、そうした部屋に対して「汚い」と感じ、「掃除しろ!」とコメント欄とは言え怒鳴れる。ということです。もっと絞り込むと、前者だけかな(後者はまあ、いわばもう普通のことだから)。やっぱり相当な潔癖症だと思いました。しかも、勘の良い笑、僕はすぐにわかったんですが、彼(彼女じゃないと思います)は、病的な潔癖症ではなく、そこそこ普通の感覚なんじゃないかな?ということなんです。
<病んだ潔癖症の人が怒鳴っている。何かを命じながら>というのは、まあまあ、今の時代なら、カテゴリー広く取れば普通のことでしょう。ただ彼は、苛立ってもいるだろけど、僕に欲情しているわけでもないだろうし(僕のファンの方だったら、きれるかどうかは別として、あの部屋、「汚く」見えないと思うんです)、おそらく何かが「怖かった」んだと思います。
それはきっと、リモート時代において、(おそらく)どんな芸能人さんも、一般人さんも、きちんと整理整頓された、要するにエントロピーの高い、シャキッとした状態を見せており、それが平均値化していると思うんですね。だから僕は彼の感覚は、欲情によるセク&モラハラというよりも、渋谷のスクランブル交差点に、まだちょっと歩いている人がいますね。あれを見て「こいつらみたいな奴がいるから、感染がゼロにならないんだ!不謹慎でだらしない奴らだ!」と叫んでいる人と同様、もうすでに内部がファシストである人々の感覚を感じて、怖くなったんです。
ファシストは恐れています。全体が向かう方向に従わないやつを。なので、彼は前述の通り、挑発的に(しつこいようですが、本人「オシャレ」のつまりだったんですが笑)、「全体」が向かうべき、「リモートで(あれリモートじゃないけど笑)人様に部屋を見せる時には、整理整頓されていないといけない」というディシプリンに反抗した奴が出てきて、あまつさえ、何らかの力を持ってそうだ。と思ったんじゃないかな。それで「恐怖感」が綺麗にパスされたと。そういう事の次第ではないかと思います。僕と彼は繋がったの。互いが、互いの倫理観や社会観を揺さぶる、禍々しい存在として。
僕が20代の頃、「デオドラントヒステリー」という言葉があったんです。それのきっかけは「料理の後に、まな板に殺菌用のアルコールスプレーをする主婦がいる」「その主婦が、刺身を切るとき、食器洗いの時のゴム手袋をしている」ということでした。
今では(特に!今では!笑)、、、、そうだなあ、、、、普通?、、、、なことですよね。少なくとも「ヒステリー」なんて言われません。
デオドラントヒステリーは、最初はその名の通り、病理と捉えられていました。しかしだんだんと拡散し、大きな支流として「嫌煙権」という急所を攻撃しだしました。ご存知の通り、60年代の東宝サラリーマン映画なんか見ると、男性も女性も、会社に着くなりまず一服。仕事にトラブルが発生してまず一服、喫茶店で待ち合わせたらまず一服、という感じです。
この状態を絶滅させたのがデオドラントヒステリー(清潔ヒステリー)を本部にもつ、嫌煙ヒステリーという分社です。今は、病理から倫理へと昇格し、大変な圧力を持った実力団体にまで成長しています。
昔、「ホタル族」という部族がいました。彼らは全員が「お父さん」で、子供や奥さんやペット、つまり他の家族からの圧力によって、大好きなタバコを、好きな座椅子の上や、ダイニングキッチンや、枕元なんかで自由に吸えなくなり、ベランダに出され、窓は密閉されて、そこでタバコを吸うしかなかったので、夜、あらゆるマンションのベランダで、ホタルの大群みたいに赤い光が見えたのね笑。
彼らは最初、同情対象でした。今ではホタル族は、誰にも強要されず、独り住まいの者までが、進んでホタルになっています。部屋にタバコの匂いを移したくないから。
僕は全く別の事情でタバコをやめたので(マイコプラズマ肺炎。マイルスも罹った、結構な激症のある細菌性の肺炎です。マジで死ぬかなオレ?と思いました笑)、「嫌煙権」のサーガに関しては、まあ、ほぼほぼどうでも良いです。ただ、嫌煙権がデオドラントヒステリーという本社を持つこと、その本社は、「嫌な匂い」と「目に見えない病原体」の2つの排除を社是とした。ということを忘れてはいけません。「ファンク」という単語は、黒人の朝は臭い。という意味です。
僕は自由業だし、労働者が(タレント側は)僕しかいない都合上、インフルエンザにかかることが許されず(それでも罹って仕事飛ばしたりするけど笑)、もうこの30年ぐらい、毎日手を洗い、うがいをしています。これは花粉症にも良いから、まあ、良い習慣なんですが、最初は「これ洗浄強迫みたいだな」と、思っていました。鼻うがいなんかは大好きで、ヨガをする者は、ネイティーポットという、鼻うがい専用の陶器の道具を使いますが、別れた元妻はヨーギになったんで、一個もらいまして笑、愛用しています笑。
過剰な潔癖さがファシズムに結びつくかどうかの話は簡単ではないです。上記の通り、オンタイムでは泡沫候補だった者が、やがて体制を握ったり、一般的な社会通念に昇格する可能性が常にあるからです。間違い無いのは、糞尿愛好者(ハードコアスカトロジスト)の人々は、こうした動きに対して、極北の位置に立つ人々であり、彼らもまた、仇敵は似る原理によって、デオドラントヒステリーや洗浄強迫患者と、どこかが似ているのでしょう。
ネタバレはいけませんが、コックコートと可愛く無い、機能的な素材とカッティングのエプロンを買いました笑。次回はその話をします。