菊地成孔(著者) のコメント

菊地成孔 菊地成孔
(著者)

>>1

 アレキサンダーマックイーンのショー動画は、彼の生前はほとんどyoutubeで観れたので、僕の「服は何故」を読みながら参照することができたんですが、代替わりして(現在はウイメンズのトップだったサラ・バートンが両性のトップ兼任に)からは、ほとんどが削除されています。メゾンの公式サイトでも見ることができるものもありますが、少ないですね。僕は幸いにして、「服は何故」の連載を指定たファッションニュース誌から、ショー動画をDVDで全て送ってもらっていたので、1枚残らずコレクションしてまして、たまに「これ全部ツブに黙って上げてしまえ」という衝動にかられるんですが、堪えています。

 僕がペペトルメントアスカラールの時に着ているアレキサンダーマックイーンのセットアップは、一手差でサラ・バートンのものです。僕は、ダブセクステット、ぺぺ含めで「クールストラッティン」の広告塔として衣装提供してもらっていたので、他社のスーツがステージでは着れず、契約がなくなったのを契機に、アレキサンダーのスーツを買おうと思った矢先に彼が亡くなり、メゾン自体が停止すると思い込んで諦めていたら、サラが継いでメゾンが続行になり、しばらくサラじゃなあ、、、、と思っていたんですが、注目するだに、良い意味でリー(マックイーンの本名)とは全く違う、英国調に回帰した、美しい「アレキサンダーマックイーン」像を作り上げたので、スーツを購入しました。

 ちなみに、「キュアジャズ」のジャケットで着ているセットアップはグッチで、伝説のトムフォード時代のギリギリ最後の一着でした。その後、フリーダジャンニーニ時代という暗黒時代が長く続き、フリーダ退任(っても、グッチCEOの嫁ですけど)後、現在のグッチがどんだけ隆盛を誇っているかはご存知の通りです(椎名林檎さんが一時期、かなり積極的に愛用を発言していましたが)。

 再びちなみに、ODにプラダ、マリーン・セルと新旧の実力あるメゾンを着せたのですが、次はアレキサンダーマックイーンにして(やったことなかったんですが、ヤフオクに、良い時期のものがたくさん出ているので)、僕のセットアップをボスに着てもらい、「サラバートン期のアレキサンダーマックイーンを着ている男女デュオ」ということにしようと思っています。

No.2 68ヶ月前

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