想定内とはいえ、あっちゅうまに軽いリバウンドが来て、月末のツアーファイナルに向けてダイエットを再強化(特に食事制限)しながら、練習や作曲の合間に宣伝用コメントを求められる映画を見続けているわけですが、送られてきたものの半分は、拝見してからご辞退させて頂いております。とまれ、ご辞退の理由は出来がアレだから。ということばかりでもありません。

 

 例えばアレキサンダー・マックイーンのドキュメントは、あまりに服が素晴らしすぎて目眩や恐怖感すら喚起するほどですし(同じ<英国調とその破壊>という図式のヴィヴィアン・ウエストウッドと好対照。ヴィヴィアンは安心の二文字)、実際にパリで見たショーもあり(「これオレ写り込んでる可能性ある!!」とかいって、心霊写真ぐらいしかわからない・笑)、また、何故かマックイーンに持っている、自分でも説明できないシンパシー(あらゆることが僕と違う人なのに、自分のような気がする)によって、自殺という結末に向かってゆく痛みが強すぎて、映画としては素晴らしいのですが、気の利いた上手いコメントが書けずに断念しました。

 

 逆に、全くノーマークというか、こちらとしては先ずはタイトル(邦題があったら邦題)、フライヤー、パンフレット、といった資料のみを頼りに当たりをつけるしかないんですが、たまに、とんでもない物件に当たります。

 

 「COLD WAR / あの歌、2つの心」は、ポーランド、フランス、イギリス資本の、実質はポーランド映画の大傑作で、今から激賛しますが、これ、タイトルとフライヤーの表1を見る限り「冷戦時代という、歴史に翻弄された、大人の男女の、濃厚で悲痛なラブロマンス」にしか思えないの(笑・だってそうでしょ!と言われれば、確かにそうはそうなんだけど)。