何か買うだとか食いに行くだとかに際して「自分へのご褒美」というのダメで、「えっと、これは、うふふ。自分へのご褒美に」うー、寒気がする。
おそらくそれは、幼少期に「はい、これ、何々したご褒美」という言葉を聞いたり口にしたりした経験則から来ている系列と考えられる(非経験則、反経験則的な系列では、全く同じ言葉が逆層を成す。例えば「そちが今宵4曲目でクソヤバいソロを取った。褒美を遣わす」「は。ありがたき幸せ」は、特に面白くないけど、寒気は全くしない)、奴らは「ご褒美」をもらった事があるのだ。家庭とか、塾とか、ジジイやババアの家で。オレはご褒美なんてもらったこともやったこともないね。親父が「お前、毎晩よく客のゲロを拭いてるな。ご褒美をやろう。ほれ」と言って、ビニール袋を出したなら、ちょっとは面白いけど。<菊地成孔の日記/2018年6月18日午前7時半記す>
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