管理者のSCです。
BSC24では防災週間の間毎日「防災情報のてびき」と題しまして、気象庁等から発表される情報について解説するブロマガを投稿してまいります。
今回は地震に関する情報について解説します。
はじめに
今日は自然災害情報共有放送局の開設から7年です。今後とも自然災害情報共有放送局をよろしくお願いいたします。
また、今日は防災の日・大正関東地震(関東大震災)から98年です。「常に備えていつ災害が来ても良いようにする」この心がけで、様々な災害に対して対処することが出来ます。ぜひ身の回りの備えを確認してみてください。
1.緊急地震速報
言わずと知れた、揺れることを即座に知らせてくれる情報です。おそらく災害に関心のない方でも耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。
Ⅰ.どういった仕組みで発報されるの?
地震波(厳密には実体波)は大きく分けてP波とS波の2つに分けられます。
平成23年東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)発生時の強震モニタの様子。最初に比較的弱い揺れであるP波、その後に強い揺れであるS波が同心円状に広がっている。(画像は2011年3月11日14時47分13秒の様子) 国立研究開発法人防災科学技術研究所より引用。
速度が早く比較的弱い揺れ「P波」の観測を基に、速度が遅く強い揺れ「S波」の大きさを予測して発表しています。
P波が到達してからS波が到達するまでの時間(P-S時間)が長ければ長いほど猶予時間が長いこととなります。逆にP-S時間が短い直下型地震では緊急地震速報が鳴らないうちに主要動ということも十分考えられます。緊急地震速報を過信しすぎず、揺れを感じたら身を守ってください。
Ⅱ.緊急地震速報にはどういった種類があるの?
大きく分けて予報と警報の2種類があります。
緊急地震速報の種別分類一覧(一部例外あり)。
テレビやラジオ、携帯電話で受信する緊急地震速報は「緊急地震速報(警報)」と呼ばれるもので、基本的に予想される最大震度が5弱以上の場合に発令されます。なお、予想最大震度6弱以上の場合は特別警報に分類されますが、発報時には区別されません。
一方、BSC24でも取り扱っている「緊急地震速報(予報)」は高度利用者向けとも呼ばれ、専用の受信機やソフトを用いて受信します。発令条件は予想される最大震度が3以上、もしくは予想される規模がM3.5以上の場合です。※継続報においてはその限りではありません。
緊急地震速報(警報)を受信して該当地域に居る場合は、速やかに身(特に頭)を守る行動を取ることが大切です。
緊急地震速報(予報)はあくまでも迅速性に重きをおいた情報ですので、目安程度に見ると良いかと思います。
Ⅲ.どういった情報が発表されるの?
緊急地震速報では、地震の発生したと思われる震源(緯度経度、深さ)や規模(マグニチュード)、予測した最大震度、地域ごとの震度と到達予想時刻が発表されます。
予報では、同じ地震に対して2報~10報程度、最大260報程度が随時発表されるものに対して、
警報では、大きい地震で1回程度、地震がとても大きい場合は5報程度発表されます。
また、気象庁が震度を予測したものではなく、地震動予報事業者(NIEDやWNIなど)が予測した震度を緊急地震速報(予報)として発表している場合があります。
2.地震情報
気象庁等が設置している地震や震度計のデータを集約し、どの観測点でどのくらいの揺れを観測したのかを発表します。
国内の有感地震(震度1以上の地震)に関する地震情報は大きく分けて「地域別の震度情報(震度速報)」「規模・深さ・位置・津波有無の情報(震源に関する情報)」「震源の位置と観測所別の震度情報(震源・震度情報)」の3つに分けられます。
「震度速報」は、最大震度が3以上の際にざっくりとした地域別の最大震度を発表するものです。おおよそ地震発生から1分半ほどで発表されます。
震度速報の発表例。この例の場合、宮城県南部・福島県中通り・福島県浜通りが震度4、宮城県北部が震度3となる。(画像は2021年8月22日11時24分ごろに発生した福島県沖地震の地震情報) 気象庁より引用。
「震源に関する情報」では、震度速報の後に名前の通り規模・深さ・位置といった震源の情報、また津波の有無が発表されます。テレビでよく聞く「この地震による津波の心配はありません」や「若干の海面変動の恐れがあるものの被害の心配はありません」は基本的にこの情報が基となっています。※津波注意報・津波警報・大津波警報発令時は情報発表されません。地震発生から2~3分ほどで発表されます。
震源に関する情報の発表例。(画像は2021年8月22日11時24分ごろに発生した福島県沖地震の地震情報) 気象庁より引用。
「震源・震度情報」では、観測点別の震度情報が発表され、この時点で市町村別の震度がわかります。地震発生から3~6分ほどで発表されます。なお、最大震度2以下で震度速報等が発表されなかった場合はこの情報が初報となります。
※以前は震源・震度情報と各地の震度に関する情報がそれぞれ発表されていたが、現在は事実上統合。
※また、震度1以上観測していなくても津波予報や緊急地震速報(警報)を発表した場合などにも発表されます。
震源・震度情報の発表例。(画像は2021年8月22日11時24分ごろに発生した福島県沖地震の地震情報) 気象庁より引用。
また、これらとは別に、海外での大規模な地震について発表する「遠地地震に関する情報」もあります。
遠地地震に関する情報の発表例。(画像は2021年7月29日15時16分ごろに発生したアリューシャン列島地震の地震情報) 気象庁より引用。
3.さいごに
今回は地震に関する情報について特集しました。地震はいつどこで起こるか全く以て分かりません。日本の場合、何百年も大地震が発生していない地域で今大地震が発生しても不思議ではないのです。発表される情報の意味を理解しながら平時にシミュレーションすると、いざという時に適切な防災行動を取りやすくなります。なるべく想定外を減らすためにも是非実践してみてください。
第四回では高温・低温について取り上げます。
引用・出典・権利表示
強震モニタ:NIED(国立研究開発法人防災科学技術研究所)
(C)2011 National Research Institute for Earth Science and Disaster Resilience
地震情報:気象庁
(C)2021 Japan Meteorological Agency
サムネイル背景画像:写真AC「神戸港に残されている震災の遺構」
その他画像・文章の作成:自然災害情報共有放送局
(C)2021 Bousai Share Channel
ブロマガ作成
文章:SC、そうし
画像:SC
サムネイル:SC
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