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防災情報のてびき 第二回:津波

2021/08/31 12:00 投稿

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管理者のSCです。
BSC24では防災週間の間毎日「防災情報のてびき」と題しまして、気象庁等から発表される情報について解説するブロマガを投稿しています。

今回は津波に関する情報について解説します。

1.そもそも津波とは?

津波とは地震や火山活動、山体崩壊などにより、海底の地形そのものが急変して、海洋に生じる大規模な波の伝播現象です。波浪や高潮とは大きく異なり水の塊のような波が押し寄せるため水圧が非常に大きく、場合によっては人的・物的ともに甚大な被害をもたらします。

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通常の波と津波の比較図。津波は水の塊が押し寄せるイメージ。(一部AC worksの素材を使用)


2.津波情報にはどういった種類があるの?

津波情報は「大津波警報」「津波警報」「津波注意報」の3種類(「津波予報」も含めると4種類)があります。

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津波情報の一覧。予想される高さによって区分が分類されている。

I.津波予報(若干の海面変動)

津波予報は0.2m未満の海面変動が予想される場合に「若干の海面変動」と発表されます。津波による被害の心配はありませんが、漁業関係などで海に出る場合は注意して活動する必要があります。

II.津波注意報

津波注意報は0.2m以上1m以下の津波が予想される場合に「1m」と発表されます。発表された場合、海岸線や川の河口から離れる必要があります。なお、津波は「津波とは?」に示したとおり水の塊ですから、20~30cmでも巻き込まれる恐れがあります。YouTubeに1mの津波を実験する動画が上がっていますので、そちらもぜひチェックしてみてください。BSC24開設後の事例では、薩摩半島西方沖地震(2015年11月14日)、熊本地震(2016年4月16日)、山形県沖地震(2019年6月18日)、宮城県沖地震(2021年3月20日)等があります。

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2021年3月20日の宮城県沖地震の際の津波情報。

III.津波警報

津波警報は1m超3m以下の津波が予想される場合に「3m」もしくは「高い」と発表されます。※精度の良い規模がすぐには求められないM8超の巨大地震と推測される場合は「高い」を使用。自治体などが発行しているハザードマップや現地の標示に従って避難する必要があります。BSC24開設後の事例では、福島県沖地震(2016年11月22日)があります。

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2016年11月22日の福島県沖地震の際の津波情報。

IV.大津波警報

大津波警報は3m超の津波が予想される場合に「5m」「10m」「10m超」もしくは「巨大」と発表されます。※精度の良い規模がすぐには求められないM8超の巨大地震と推測される場合は「巨大」を使用。大津波警報クラスとなると沿岸部が浸水する恐れが高くなるため、なるべく海岸から離れたところや頑丈な建物のなるべく高いところへ避難する必要があります。2021年8月現在、BSC24開設後に大津波警報が発表された事例はなく、最新の事例は東北地方太平洋沖地震(2011年3月11日)となっています。※当時の区分名は「津波警報(大津波)」



3.どうやって高さや時間を予測しているの?

気象庁では津波を発生させる可能性がある様々な地震について、予め「位置」「深さ」「規模」のパターン分けをし、予報区ごとの高さと到達時間をデータベースに保存しています。気象庁資料によれば、その数は約10万件に及ぶそうです。

なお、断層の傾きが45°の逆断層型地震としてシミュレートするので、45°よりも小さな角度であれば予想より小さな津波が来ることも考えられますが、45°よりも大きな角度であれば予想より大きな津波が来ることも十分考えられます。予想高さを過信せず、とにかく遠く・とにかく高くを意識して避難してください。



4.津波情報で注意すべき点

現在の体制では津波情報は2~3分ほどで発表されますが、震源が陸地に近い場合は津波情報が発表される前や揺れが収まらないうちに津波が到達することもあります。海岸付近や河口付近で大きく長い揺れを感じたら、津波情報の発表を待たずに避難することが大切です。

避難する際、車での避難は渋滞に巻き込まれ逃げ遅れる可能性がありますので、自らの足で避難することをおすすめします。

大規模な津波の場合、場合によっては1日以上津波が繰り返し何度も押し寄せます。波が引く時間帯もありますが、その時点で沿岸部の低地に戻ってしまうとその後来襲する波に襲われてしまうケースもあり非常に危険です。津波情報が解除されるまでは安全な高台や海岸から離れたところへの避難を継続させることが被害を減らす上で重要となります。



5.さいごに

今回は津波に関する情報について特集しました。警察庁資料に拠ると、東日本大震災で亡くなられた方々の死因の9割以上は津波に依る溺死です。震源地が陸地に近い海底の場合、数分のうちに津波が来ることも考えられます。沿岸部で大きく長く揺れたらとにかく早く逃げることが大切になってきます。いつ避難しても良いよう予め避難経路は確認し、実際に発生した際は一目散に逃げ、周囲に知らせながら逃げられるようにしましょう。

第三回では地震について取り上げます。



引用・出典・権利表示

東日本大震災の死因割合(出典):平成23年版 防災白書・図1−1−4 東日本大震災における死因(岩手県・宮城県・福島県)

サムネイル背景画像:写真AC「第18共徳丸 東日本大震災の記憶 気仙沼市鹿折地区」

その他画像・文章の作成:自然災害情報共有放送局
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