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【自然災害メモリアル】第071回:宮崎県西部地震(1909)の日 [防災]仮設住宅

2018/11/10 21:00 投稿

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  • シリーズ:自然災害メモリアル
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  • 防災
  • ND
どうも、
管理者のNDです。

11月10日は、
宮崎県西部地震から109年です。

この地震は、九州の内陸直下型地震で最も強いM7.6を記録した大規模地震です。
しかし、宮崎市周辺で煙突倒壊や家屋半壊などの被害は出たものの、
この地震で一切死者が出ませんでした。
その原因は、深さがあった地震で揺れが広範囲に分散したことで
致命的な大災害を避けることができたとのではないかと推測されます。

今回は、
「仮設住宅」をテーマにお伝えしていきます。

不幸にして大地震に見舞われ、自分の家を失った場合、
避難所で長期的な生活を余儀なくされることも多いのではないかと思います。
すぐに新しい借家を探せばいいと思っても、実際に被災しているのは自分だけではありませんので
そう簡単に手に入るとは限りません。若者であれば、一旦居住地を離れることも
できないことはないと思いますが、難しい点もあるでしょう。

被災して当地域以外からは少しずつ話題が薄まっていく頃になると、
避難所の閉鎖や移動といった問題が出始めてきます。
そして避難所に長期間滞在する人の行きつく先は、仮設住宅になります。

この仮設住宅には、当然一時的な滞在を目的にしているだけあって、
完全な住宅ではありませんので長期居住には向きません。
それが故、様々な"悪い噂"も飛び交います。その噂の検証を折角なのでしてみました。

①優先順位
まず、仮設住宅に避難所から移動できる人の優先順位でもめることがたまにですがあります。
ですが調べてみると、優先順位の有無は各自治体・各地域によってさまざまな取り決めが
成されることが多い為に、一概にこうということが言えません。

ある場所では、公平に抽選となった場合もあります。
とある自治体では、弱者優先として主に避難所での長期滞在にリスクを伴わさせてしまう
高齢者や障がい者などを先に仮設住宅に移すように手配することもあります。
またある場所では、津波で全壊した被災者を優先としたり、
世帯人数・子供の有無・母(父)子家庭が高齢者と共に優先される自治体があったり、
とにかく様々です。各自治体に問い合わせるといいかもしれません。

ちなみに阪神淡路大震災での神戸市は、
当初8割を抽選、2割を高齢者・障がい者・母子家庭のみで抽選という方式に決めようとしたら、
寒い避難所で過ごす災害弱者を人道的に優先すべきという強い指示から弱者優先方式に急遽変更して
一次募集は決定するなど、ギリギリで急遽変更されるケースも多いことから、
入居方法がその時になるまでわからないことも多いです。

尚、東日本大震災での宮城県東松島市は、
住宅を失った人・居住住家がない人・自資力で住家確保困難な人を対象に、
妊産婦・3歳未満の乳幼児がいる世帯・3~18歳未満のお子様がいる世帯・高齢者のみの世帯・
要支援・要介護認定を受けた世帯・障碍者のいる世帯・病弱者のいる世帯・失業者世帯・
生活保護世帯を優先基準としながらの抽選選考をしていました。
岩手県住田町は東松島市同様の対象者でしたが、
条件は定めずに"公開抽選"により決定という単純な抽選方式でした。
一方、岩手県釜石市では、"選定方式"で、抽選は行わず、
主に津波により住宅全壊・床上浸水以上の被災で居住不可になった人を対象に、
子供・身体障害者(1級・2級)・75歳以上の方のいずれかがいる世帯を優先的に選定したそうです。

ちなみにですが、抽選や選定で入居が決まったらすぐに避難所から立ち退き、
仮設住宅へ迅速に動くようにしてください。抽選漏れした住民からの不満も出ます。
尚、宮城県南三陸町では入居可能な仮設住宅の場合は、入居期限を12日と定めていて
それ以上経つとカギの返却を請求されます。実際にこれは東日本大震災で問題となった
仮設住宅トラブルの一つに挙げられます。
抽選に参加するのであれば食料・物資供給がされなくなることを念頭に置きましょう。
その準備さえできていなければ、そもそも抽選の参加を拒否した方が良いです。

②仮設住宅団地のコミュニケーション
多くの問題点として挙げられるのがこれではないかと感じます。
これは①で決まったやり方によって、いろいろ問題の発生率も変わってきます。
例えば、弱者優先方式はその場では良かったのですが、後に弱者が郊外に密集する形になり、
若年層と隔離されるなどして新たに問題が生じた地域もあります。
また、各地域からの選別方式になると、近所づきあいが良かった場所ほど
全く無関係な人々同士のコミュニティを新たに付き合わなければならず、
良い人が集まれば新しい知人ができるなど前向きな話題が増えますが、
陰湿な人が集まれば隣人トラブルに発展することも少なくありません。
対策に地区別抽選や、そもそもの需要抑制に働きかけるといった提案も存在しています。
この教訓が活かされたのが、新潟県中越地震で、
集落同士で仮設団地の戸数や、希望した入居先、健常者と高齢者等が偏らない混合配置、
更には集会所・談話室の確保なども行われ、100%には至らずとも改善されています。
皆さんの地域がどうなるかはわかりませんが、ひとまず仮設住宅で暮らすことになるということは、
少なくとも近所関係がやり直しになるということになります。
しかし、互いに被災者同士という仲間意識は大事です。震災を逆手に話のネタを作って
近所づきあいを作り上げていくことで、隣人トラブルを未然に防ぐことができます。
自由を抑えた配慮はどうしても必要になりますが、それは贅沢な悩みです。
配慮の必要がない場所に行きたいのであれば、
しっかり経済基盤を作り上げて、仮設住宅から抜け出せるようにしましょう。

③仮設住宅の住宅環境
東日本大震災では、宮城県が寒さ対策を怠ったことで名指し批判を受けたことで
ニュースになった記事がありましたが、仮設住宅の整備は県の事業な為、
実際に仮設住宅がどうなるかは、都道府県別でどうなるのか見る必要性があります。
ただし、被災状況が著しいと市町村ごとにも配備が上手くいかなくなってしまう為、
必要最低限の住宅環境で仮設住宅が敷かれてしまうこともあります。
実際の仮設住宅では、網戸がないことで夏場はハエが充満、
梅雨時期は狭くて気密性の高い仮設住宅はカビの発生に気を付けるなどしないといけません。

④長期化による不安・負担
仮設住宅は基本的に2年が供与期間と定められています。事前の許可が通ればよいのですが、
原則通りなら、それまでに生活再建が定まらないと仮設住宅は"老朽化"してしまいます。
尚、耐用年数が7年ほどとされている為、更なる長期化が懸念される場合は、
新規仮設住宅への移住を迫られることもあります。
そもそも県・自治体が、住宅の準備が間に合わないことで入居できないこともあり、
こちらに非がなくても理不尽に、
暮らす身分の肩身が長期化する程狭くなっていくというリスクを抱えていきます。
そうなる場合は、1年半を過ぎた段階で仮設住宅から抜け出せる見込みがない場合は、
その地域に居住することをあきらめるなど、可能な選択肢の幅を拾うことが必要になります。
特に高齢者の方は深刻ですから、可能な限り親族のいる高齢者なら、
親族と合流して同居する形を取る方が良いと思います。

⑤ペットの可否
仮設住宅でこれを気にする人も多いと思いますが、今の所動物愛護団体の目が厳しい為に
動物愛護法が改正されて今では、災害時の動物救護対策の必要性が国の方針として定められました。
割と認めている仮設住宅は増えてきています。ただし仮設住宅は防音ではなく、
環境も良いとは言えないので、一時は凌げても後にペットの騒音・悪臭によるトラブルを
引き起こす可能性がある為、いつも以上に近隣に気を配らないといけなくはなります。


他にもいろいろな問題点があり、挙げればきりがなさそうです。
仮設住宅は避難所よりマシ、普通の住宅より辛いというのが通説ですから、
決してそこを終着点にせず、通過点として考えた上で仮設住宅を"活用"していきましょう。


今日の記事は以上です。
皆さんの防災意識に少しでもプラスすることができたら嬉しいです。

明日もどうぞお楽しみください。
尚、感想はブロマガコメント欄でも放送内のコメントでもお気軽にどうぞ。

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