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【自然災害メモリアル】第037回:箒川鉄橋列車転落事故(1889)の日 [防災]現代の鉄道災害

2018/10/07 21:00 投稿

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  • シリーズ:自然災害メモリアル
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  • 防災
  • ND
どうも、
管理者のNDです。

10月07日は
箒川鉄橋列車転落事故から119年です。

明治時代に栃木県で発生した列車転落事故で、19人が亡くなった事故です。
この転落事故の背景には台風が接近したことによる自然災害が絡んでいます。
当時は台風が接近しており、強い風雨が栃木県内でも吹き荒れていましたが発車し、
名前のとおり、箒川の鉄橋に差し掛かったところで突風に煽られ貨物混合列車は
貨物車の最後尾連結が外れ鉄橋の上で転覆し、川へ落下しました。
言うほど高いわけでもない鉄橋ですが、さぞ凄まじい音と共に落下したのではないかと思います。


今回は、
「現代の鉄道災害」をテーマにお伝えしていきます。

今年の台風接近においても、JR西日本をはじめとして今は
災害切迫が予想される場合には、あらかじめ運休になることが増えてきました。
これらには、上記を含む気象による鉄道災害が起きたからこそ取り組まれたものでもあります。

鉄道が受ける自然災害は、正直全てに影響があるといっても過言ではありません。
地震は、新潟県中越地震では新幹線が脱線する事故もありました。
津波は、遠地地震でも沿岸で警報が出れば海岸付近を走る路線は運転見合わせになります。
大津波になれば数年単位で復旧作業を洋する可能性も出てきますね・・・。

台風は、今日の記事に限らず多数の事例が起きています。
台風以外の低気圧でももちろん起きていますし、強風以外では
高波による長期運休があります。日高本線はこのまま廃線になるとか話も出ています・・。
高潮はそもそも風が起因するのでこの影響を受ける前に大抵は運転見合わせになります。
つい先日にもあったように、塩害も架線トラブルを引き起こして
すぐに再開できない運転見合わせになることもあります。

尚、竜巻などの突風でもし列車が横転するような事態を招いたり、飛来物が線路を阻んだりすると
程度によってはこちらも長期の運休を見込まれる場合があります。

大雨は、山間部を走る電車ほどこの傾向が強く土砂災害が一度起きればその区間は
数日以内での復旧は程度によりますが難しくなるでしょう。酷ければ数年なんてこともあります。
雷を伴った場合は、落雷で停電になって一時的に運転見合わせになる恐れもあるので
天気急変時ほど予期せぬ運行影響に気をつけましょう。

そして、暴風雪は現代でも鉄道にとって最も天敵とも言える最悪の気象条件です。
今でも冬季は予め見越して数ヶ月終日運休を決める路線も北海道や山沿いの路線で見受けられます。
当然暴風雪まで行かなくても雪は、都心部で降雪するだけでダイヤは乱れ、
各駅は大混乱を招いてしまいます。尚山間部路線では更に融雪による雪崩警戒で運転を
長期的に見合わせる路線もあり、その場合は並の雨だろうと運行しなくなることがあります。

さて、この辺までは誰もが想像しやすいと思いますが鉄道にはこんな自然災害でも
運転を見合わせることもあります。

まず、濃霧です。
信号が見えなくなる程著しくなると、電車が運転を見合わせたりダイヤが乱れることがあります。
暴風雪もこれが原因で運転を取りやめることがありますが、
実は関東では宇都宮線、関西では琵琶湖線などでダイヤ乱れ・一部運休するなどしたことがあり、
意外に大きく関わってくる場合があります。

続いて、動物災害です。
東北以北と山間部でよくシカ・クマ・イノシシの衝突による
運転見合わせになることが多いのを聞くと思いますが、この辺はまだメジャーです。
マイナーなものでは、ハチが車内に入っただけで運転見合わせになったり、
異音検知の原因が実は猫だったとか、都会でも希ですが動物がお騒がせしてしまう自体があります。
流石に猫は微妙なところですが、ハチなどは気候により異常繁殖することもあるので侮れません。
ちなみにサルが運転見合わせにさせたことがあります。
実際にあった事例では、架線に引っかかってしまい感電死したそうです。
これは2017年10月に可部線で起きました。
同様に実はカラスも架線トラブルを引き起こすことがあります。(例:鹿児島線)
酷い時は運転席のガラスにカラスが当たって見合わせなんて自体もあります(例:武蔵野線)。
更にカラスの巣が停電を引き起こして1時間前後運転できなくなったケースもあります。
(例:大阪環状線・横須賀線・東武伊勢崎線など)

彼ら動物も自然の中で生きる文字通りの生物です。野生動物が引き起こす事象も
一種の自然災害として関与できる場合もあります。一応、当放送では動物関連のニュースは
取扱OKです。これから秋になり、動物災害関連のニュースが増えてきますので
秋のレジャーにはご用心ください。

3つ目は、気温です。
線路が異常に熱せられてしまうと、レールが歪んでしまい運転できなくなることがあります。
言うまでもなく真夏の炎天下に多く発生しがちで、都心部でも起こりうる現象です。

ですが・・・暑いだけが運転見合わせになるとは限りません。
寒すぎて運転見合わせになってしまう事例もあります。
関東では2017年3月に総武本線で、関西では2015年1月に湖西線で
それぞれ"架線凍結"という名目で運転を見合わせ大混雑・立ち往生を強いられました。
都市部に"低温注意報"が出た時は、慣れないだけにこういったリスクを伴います。
ちなみに稀なケースで、電力需要が逼迫してしまうことで運転を急遽本数減らしたり
運休を決めることもあります。2014年2月では実際に京急全線が逼迫を受けて、
運転を(自主的に?)数時間を見合わせました。
暑くても寒くても異常気象に感じた時は、人体の影響だけでなく交通機関にも影響が出ることを
懸念しましょう。ちなみに対策が取られている寒冷地はこういった事態は滅多に起きません。

そして4つ目は、霜です。
冬の晴れた夜間に発生すると、霜がパンタグラフとトロリー線の間に介在してしまい、
双方が離線を生じて溶断してしまう危険があります。
これも寒冷地ではよくあることなので対策は取られており、
最近は霜の発生を予測して、霜を除去できる電車を走らせていることもあります。
農作物に影響を与えるだけと思われがちな霜も、鉄道網に意外な影響を及ぼすことがあります。
風が弱いのに湿度が高い冬日に霜は発生しやすいため、天気予報に反してこのような事態が起きたら
こんな事態も発生しかねないことを頭の片隅に置いておくと良いと思います。

鉄道はこれまでに様々な事故を受け、今では俗に言う"逝っとけダイヤ"や、
経済性を優先する動きが減ってきて、見えないところでもかなり防災が進んでいます。
しかし、それだけ自然災害に対して耐性を備えても限界はどうしてもあります。
以上のような事例はむしろ現代社会の環境に限って起こりうる、
時代の流れで新たな災害を生んでいることもあります。
今回は長文になってしまいましたが、鉄道を使用することで生じるリスクを踏まえて
そういう意味で、いつもダイヤが安定して走っていることの恩恵を感じるのもアリだと思います。
それぞれの災害リスクは予見できるのもあれば、難しいのもありますが
どういう時に、あらぬ出来事が起きるかを知っておくと良いと思います。

いつもより長文になりましたが、今日の記事は以上です。
皆さんの防災意識に少しでもプラスすることができたら嬉しいです。

明日もどうぞお楽しみください。
尚、感想はブロマガコメント欄でも放送内のコメントでもお気軽にどうぞ。

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