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■【ボクタク】第四回配信のエピソードゼロ・『元原子力安全委員会委員長、班目春樹氏の証言』―身体から乖離した現実【烏賀陽弘道×開沼博】

■参考記事

■生放送予告

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 『第三回ボクタク』生放送でテーマ「3.11を振り返る 烏賀陽弘道の二年」の際、烏賀陽弘道はある重要な発言をしている。
その言葉を聞いて、ある不思議な感覚に囚われた。


「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きているんだ!」

という、映画の台詞が流行したのは十年以上も前だ。
緊急の対応が迫られる中、会議室において事件をハンドリングしようとする人間の狂気と、傷ついた沢山の人々を助けようとする現場の人間たちの激しい駆け引きと不条理を描いたシーンは観客を惹きつけ魅了した。

手に汗握るフィクションの世界で描かれた駆け引きは、「事件現場での事実」が「会議室での話し合いの結果」とすり替えられそうになるというものだった。
当時映画を見た人は、その関係性だけで随分と複雑な構造に感じたものだが、烏賀陽の活動状況を聞くにつれ、私たちはより複雑化された現実をつきつけられている。

 東日本大震災で起こった福島第一原発事故から一番近い場所で取材を始めた烏賀陽は、福島第一原発を起点として少しずつ離れた場所へと取材対象を移していく。
現場から離れるにつれ事故対応の核心へと少しずつ近づく烏賀陽の身体的移動と問題点の洗い出しの様をイメージしてみると、奇妙なのだ。

「事件(=事故)は現場で起こっている」というのは全くその通りで、緻密な取材から事故および事故対応の様子が明らかになっている。「事件(=事故)は現場で起こっている」ことは誰もが変えることのできない事実だ。
しかし今回の福島第一原発事故は事故対応において様々な人間関係・組織図が絡まり合い「事件(あえて事故とイコールにはしない)が、“結果として”会議室で引き起こされた」という異常な状況が見えてきたのである。

烏賀陽は事故現場から少しずつ離れて行ったが、離れれば離れるだけ事件の核心を掴んでいくという“身体と現実の乖離”を自ら身体的移動によって描写していた。
(開沼は地方と中央政治の合致しない状況として問題点に挙げている。)

 JBPRESSにて烏賀陽弘道が連載する人気シリーズ『元原子力安全委員会委員長、班目春樹氏の証言』は事件の核心なのだろうか。烏賀陽はまだ取材したい人物がいるという。
少しずつ、しかし確実に近付いている“核心”への道のり。登る道の勾配がきついと、向こう側の景色はなかなか見えない。
登りきった時、烏賀陽は私たちにどのような世界の姿を見せてくれるのだろうか。

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■参考記事

◎烏賀陽弘道著 JBPRRESS連載シリーズ『元原子力安全委員会委員長、班目春樹氏の証言』
http://goo.gl/oVGlw

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■生放送予告

2013年4月4日(木)21:00~

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