na85 のコメント

>>101:こいらさん
 心のスイッチ論は緊張と弛緩のonとoffですよね。『逝きし世の面影』で明治期に来た外国人が日本人の子供について書いています。普段は外で近所の子たちと夢中で戯れている子供たちが突然大人のような振る舞いをすることがあり、例えば親の留守中に客が訪れたときなどにまるで大人のような対応で客を迎える場面に遭遇したことを書いています。ふざけてよい場面と真面目にならないといけない場面の切り替えが身についているわけです。これは、母や兄・姉に負われて育ったことにより、こういう場合はこう振る舞うということを背中越しに見て学んでいたわけです。かつての日本の子たちは共同体内での身の処し方をこうして覚えたわけです。
 昔は学校で先生が言わなくても静粛にしなくてはならないときには静かにしていられたはずです。現代日本においてそれができない子が増えた原因は、少子化と核家族化、共同体崩壊によって家族より大きな共同体に触れる機会が減ったことが大きいでしょう。自宅にいる時と変わらない弛緩しっぱなしの状態で、私から公へのスイッチ、個人から集団へのスイッチが入らないわけです。
 スイッチの理論に類似することがよしりん師範の『開戦前夜』の「思い邪なるものに災いあれ」にありました。明治初期までの日本の男女は混浴しても平然としていられてその気にならない件です。公衆浴場という公の場であるということをよく認識して公スイッチ・集団スイッチがonになるから欲情しないのでしょう。そのかわり私スイッチが入ったときの日本人の好色さは江戸期の春画春本を見ても明らかです。

 日本人の少子化の原因には共同体崩壊による公私スイッチ(欲情スイッチ)の故障もあるか? na85

No.122 135ヶ月前

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