菊地成孔(著者) のコメント

菊地成孔 菊地成孔
(著者)

>>15

 今年は奇しくもパーカー生誕100年、アイラー没後50年なのですが、とにかくキリ番なので、計算が楽ですね。1930年生まれが90歳(戦争に行った)、1940年生まれが80歳(戦時中に生まれた)、1950年が70歳(終戦直後に生まれた)、1960年が60歳(戦後文化が開始して生まれた)、となります。ご説にある「60年代の初中期に、西洋文化にかぶれて生意気盛り」だった人々は現在「7〜80歳」なので、こんなおじいさんでも(ご説の通り)、ヤワいわけです。僕が個人的に一番めんどくせえなと思っているのは70代で、しかし僕のマーケットの一角を担っているのですね笑、この件は次回のラジオデイズで話そうと思っています。帽子は良いですね。僕も積極的に取り組んでいます。

 一つ上の僕のレスト被りますが、その7〜80代は、流行(はやり)現象が、とても緩慢でした。彼らの中には、ゴーゴー喫茶に日参した物も、ジャズ喫茶に日参した者も、ビートルズやディランにガツンと食らった者もいる一方、そんなもん生活になかった者もいて、つまり多様性があります。僕が希望を持っているのはこの多様性ですね。今、どんな地域で、そんな生活をしている人々も、中壮年になったら、「ああ、若い頃にTwitterやってたな」と、丸抱えで一択になってしまい、多様性を持ちません。そういう意味で、SNSが、ファシズム発生機能と、ファシズム抑止機能を同時に持っている事は確かで、昭和ではそれが新聞や雑誌でした。「キングコング対ゴジラ」と「キングコングの復讐」は、幼少期に実家の隣の東宝館でリアルタイムで観ましたし、最近もDVDで観ましたが、いわゆるツボに全く入らなかったので、助かっています(特撮が悪い、と言っているのではなく、ハマりもん=買いもん=消費にかかる時間が増えずに済む。という意味で)。

 

No.17 51ヶ月前

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