「みんなどうやって恋愛してるの?」
「オクテ男子が脱童貞したキッカケは?」

恋愛やセックスについて、男同士で話す機会は少ないもの。
また、オクテ男子の声はメディアにもあまり出てきません。

「女子と話せない」「一生彼女できないんじゃ」と悩んでいたリアル男子たちが、どのように悩みと向き合い、克服してきたか?
そんな生の声を聞いていきたいと思います。

1人目のゲストは、拙書『モタク~モテるオタクになる恋愛ガイド~』にも登場するYくん(33歳)

28歳まで恋愛に縁がなかったのが、私のスパルタ指導を受けて彼女を作り、結婚に至った男子です。

今では一児のパパである彼と、恋愛やセックスについてゆるゆる語っていきますよ~

■「高1の時、自分はモテカーストの底辺だと気づきました」

Y:僕の場合、中学までは女子と話せたんですよ。
小学校の延長って感じで、恋愛とか意識しなかったぶん、壁がなかったんです。
でも高1の時、自分はモテカーストの底辺だと気づきました。

アル:なんで気づいたの?

Y:僕の進んだ文系コースは、男女比が1:2だったんです。
つまり、男からすると売り手市場なのに「あれっ?俺だけ買い手がつかないぞ」と。

アル:あはは!かわゆいのう。

Y:笑い事じゃないですよ!
クラスでカラオケに行った時も、僕以外は全員カップルでイチャついてて。
自分だけポツンと1人ぼっちで、すごい疎外感でしたね。

アル:そりゃこじらせるわなあ。

Y:あと、その頃『エヴァ』が始まったんです。
うちは田舎だから放送してなくて、親戚に録画してもらったビデオを見てたんですよ。
それで綾波がどうのとか学校で話してたら、「あいつはオタクだ」と風評が広まって。

アル:当時はオタク差別がきつかったもんなあ。
今だったら普通なんだけどね、みんな深夜アニメとか見てるし。

Y:今ならエヴァ見てても普通なんでしょうけど。
当時の僕は“非モテのオタク”ってキャラが確立されてしまい、さらに女子に対して壁ができました。
…その後、<偽ラブレター事件>が起こりまして。

アル:偽のラブレターで呼び出されて、ドッキリを仕掛けられた事件ね。

Y:仕掛けた方は冗談のつもりだろうけど、僕はすごく傷ついちゃって。

アル:そりゃ傷つくよ!十代って残酷だよね。

私は中高と女子校だったから、モテカーストは存在しなかったんだけど。 
でも下校中に男子高生から「見ろよ、あのデブ」って笑われたりして、当時は外を歩くのも怖かった。コンビニの男性店員にもビビってたし。

いまだに「朝起きたら太っている夢」を見て飛び起きるもん(笑)

Y:僕も十代でコンプレックスを植えつけられました。
…僕って毛深いじゃないですか?

アル:冬は暖かそうね。

Y:夏は暑いです。
でも奥さんと付き合うまで、真夏でも半袖着れなかったです。女子にキモがられるのが怖くて。

アル:うちの夫は高校時代、同級生の女に「オタク、キモーい!」と言われて、陰毛をちぎって投げつけたらしい。

Y:僕は旦那さんみたいなガッツはなかったです…。

アル:旦那は「女が怖い」じゃなく「女が嫌い」って方向に進んだけどね。

Y:僕は怖かったですね。

大学入学後も、女子に対して壁はあったんですけど…
幸い、地味でマジメな学生の多い大学だったんです。
チャラい学生の多い大学だったら、疎外感を感じて友達できなかったかも。

で、男友達に誘われて文化系のサークルに入って、そこで同級生を好きになりました。

アル:どんな子だったの?

Y:見た目は地味な子でしたね。全然モテる感じじゃなかったです。
でも、友達が悩んでたら親身に相談に乗るみたいな、すごくいい子で…
それでじわじわ好きになっていきました。

アル:女子と接点の少ない男子は、見た目重視になりがちなんだけど。
女子の中身に触れる機会がないから。
だから、可愛くてモテる子に恋をするパターンが多い。

Y:うーん…僕の場合、妹の影響が大きいかも。

アル:あの凶暴な妹ね。妹さん、可愛いよね。

Y:まあ見た目は悪くないし、外ヅラがよくて八方美人なんですよ。 
でも家ではキレて湯船に食パンをぶちこんだり、壁に五寸釘を打ったり、ムチャクチャやってて…
それで「外見に騙されてはいけない」と刻まれたのかも。

アル:実在の妹がいる人は妹萌えにならないって言うしね。

Y:僕も義妹(ぎもうと)萌えはありますけど。

アル:さよか。うちは弟がイケメンなのよ。 
私は生粋のブサイク好きなんだけど、弟のお陰でイケメンに対してレア感や憧れがないんだと思う。

Y:憧れようがないですよ。
実在の妹は「おにいちゃん♡」とか言わないし。「あんたの部屋クッセ!!」ぐらいしか言わない。

僕も可愛い子は好きだけど、外見だけで好きになることはないです。
やっぱり話が合うとか、中身の方が重要ですね。

アル:それはプラスに働いてるよ。凶暴な妹に感謝しないと。

可愛くて愛想がいいモテ系の女子は、競争率が高いから。
当然、付き合える可能性は低くなる。

「彼女は欲しいが理想が高い」って男子は、女子と接点を増やすこと。
いろんな女子と接するうちに「可愛くても話が合わないとツラい」「一緒にいて楽しい子がいい」って風に、中身重視にシフトしていくから。

…で、同級生への恋はどうなったのかね?

Y:ひたすら想ってるだけでした。
告白する勇気なんてないし、友人関係が壊れるのがイヤだったし。

アル:でも、その子に彼氏ができたらイヤでしょ?

Y:イヤだから「できませんように」って祈るんです。

アル:祈りか…。その祈りは通じたのかね?

Y:いえ、彼氏ができちゃいました。彼氏も同じサークルだったから辛かったですね。
…ただ、その後の方が暗黒時代でした。

■コミュニケーションできない暗黒時代

Y:僕、大学を留年しちゃったんですよ。
友達はみんな卒業しちゃって、誰とも話さない生活をしていたら、人と話せなくなってしまって。

その後、どうにか就職はしたけど、他人とどう接していいかわからなくて。

しかも入社してすぐの飲み会で「どんな子が好み?」と聞かれて「ツンデレ巨乳です!」と答えたら、女性陣にドン引きされまして。

アル:ありがちな失敗だな。
下ネタや毒舌は、親しい間柄ならネタとわかってもらえるけど、親しくないとマジだと受け取られるから。

Y:昔もアルさんに注意されましたよね。
僕がSNSに<フフ…勃起しちゃいましてね>って書いたら「それジョジョ知らない人にはわかんないから!誤解されるよ!」って。

アル:マジで勃起してると思われるよ。

Y:あのね、オタクの男同士でつるんでると、ついついクセになるというか…
「ネタが通じて当然」って錯覚しちゃうんです。

あとオタク同士って「おのおのが知識を語りまくる」ってコミュニケーションをしがちだから、それもクセになってました。

アル:初めて会った頃は会話が成立しなかったよね。

Y:ほんと僕、一方的にしゃべってましたよね。「わーこの人はガンダムがわかる!」ってはしゃいじゃって。

アルさんから「壁打ちトークはダメ、会話はキャッチボールじゃないと」と教えられて、ようやく気づけたんです。
指導される前は、自分の何がダメかわかってない状態でした。

だから僕も「ただしイケメンに限るんだろ!ブサイクは何やっても無駄なんだろ!」と思ってましたし。
でもリアルに女子と接してみて、コミュニケーションの問題だと気づきました。

アル:今のYくんは「コミュニケーションが得意な人」に入ると思うよ。立派になったのう。

Y:あの…ほんと自分でも信じられないんですけど、最近は会社の若い女子から「Yさんは話しやすい」とか言われて、恋愛相談されるんですよ。「こ、この俺が…?!」みたいな。

アル:人は、変わっていくのね…。

Y:そうだよ、ララァの言うとおりだ!

アル:暗黒時代、風俗で童貞切ったれとは思わなかったの?

Y:思わなかったですね。童貞のまま魔法使いになるだろうと予想してました。
僕、風俗は行ったことないし、行きたいとも思わないんです。

アル:なんで思わないの?

Y:だって、知らない人じゃないですか?
初対面の知らない女性とセックスするっていうのが…絶対気をつかうだろうし。 
「なんでお金払って気つかわなきゃいけないの?」って思うんですよ。

アル:「金払ってるから気をつかわなくていい」と考える男もいる。

Y:僕はそんな風には思えないです。

アル:そうか、いい子だね。
じゃあ、ガンダム風俗とかも興味ないの?
風俗嬢さんが連邦の制服を着ていて、ジェットストリームアタックという3Pプレイもあるらしい。

Y:黒い三連星ですか(笑)

アル:ジェットストリームアタックしたいとかも思わない?

Y:まったく思いませんよ!
だって相手はべつにガンダム好きじゃないし、知識もないわけでしょ?!

アル:厳しいな(笑)
そうか、やっぱりキミは中身なのだな。

「若い女が連邦の制服を着てればOK」って男は、べつに相手はその人じゃなくていい、誰でもいいわけでしょ?
キミは「その人」がガンダムが好きで話ができるってのが重要なんだね。

Y:うーん…だって性欲を満たすなら、自分の右手でいいわけじゃないですか?
でも、セックスは相手がいて成り立つもので、別物でしょ?
「相手は誰でもいい」とは思えないです。

アル:性欲と性交欲は違うからね。セックスはコミュニケーションだから。
だから、ちゃんと基礎を学ばないとうまくいかない。

風俗経験もないYくんは、奥さんが初めてだったわけですな。

Y:はい。28歳で初体験をして…今考えると、その年でよかったなと。
僕はアルさんのコラムで学んでいたから、大丈夫だったというか。

というのも僕、すごくAV脳だったんで。
ハタチくらいだったら、顔射とかしちゃってたかも…。

アル:そりゃ一発で振られるな。そしてザーメンンマンというあだ名がつくね。

Y:またはミスターザーメン(笑)

アル:僕の考えたアダルト超人シリーズ(笑)
…それじゃ、Yくんが暗黒時代から脱出したキッカケについて聞きましょうか。

次回へ続く!

『オクテ男子のための恋愛ゼミナール』 
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『モタク~モテるオタクになる恋愛ガイド~』  
 

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