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<目次>
・1.クリムゾン宮殿巡礼 ‘69年5月6日(竹川 真)
・2.プログレの歴史―プログレ誕生・1969年(その2)―(編集:守影忍)
・3.編集後記(お局)

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1.クリムゾン宮殿巡礼 ‘69年5月6日(竹川 真)
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 ジャイルズ、ジャイルズ&フリップが突然キング・クリムゾンに変貌した背景には、若年層に浸透していたサイケデリックムーヴメントの影が潜んでいる以上に、彼らの内的変化が大きく作用しています。西洋古典音楽が内包する抒情性を志向するイアン・マクドナルドの加入、至高なる前衛音楽構築を目標に揚げたロバート・フリップの台頭、そして抽象的な言葉で独自の世界観を詩にしたピート・シンフィールドの存在です。その出会いも含めてロバート・フリップは「the Good Fairy」の存在が大きいと語っていますが、その個性が妥協することなく音をぶつけ合い、相互に影響を及ぼし、結果として未知なる音の誘発を招き、キング・クリムゾンは誕生したと思います。キング・クリムゾンとしての初リハーサルは’69年1月13日。そして’69年4月9日スピークイージーで彼らは聴衆の前に初めて姿を現しました。その衝撃は当時の音楽の中では相当なものだったようです。「スピークイージーでお祭り騒ぎ」、「まるで騒がしいオーケストラのようだ」と評されただけでなく、ジミ・ヘンドリックスがロバート・フリップに近づいてきて「左手で握手してくれ。その方がハートに近い」という逸話もあります。ここでは現在確認できるラジオ音源とライヴ音源を中心にキング・クリムゾンを紹介していきたいと思います。