いよいよ2013年最後のメルマガとなりました。読者・視聴者の方には本年も大変お世話になりました。2014年も充実したアニメのお話を展開できるよう工夫を重ねていきたいと思っておりますので、今後もよろしくお願い致します。
さて、年末の話題としては新宿・歌舞伎町に昨年出来たロボットレストランに、某忘年会の一環として行ってきました。結論からいうとおもしろかった(笑)。そのあたりを次回予告のところに書きますね。
では、いってみましょうか。
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1.最近のお仕事紹介
2.お蔵出し原稿 「「啓示」の物語」(交響詩篇エウレカセブン)
3.Q&A
4.次回予告
最近のお仕事紹介
1.講座「アニメを読む」
朝日カルチャーセンター新宿教室で行っている講座「アニメを読む」1月~3月期は以以下の予定です。
1月18日(土)アニメを読む制作編「デジタル化したアニメーション」
ゲスト:スタジオカラーデジタル部プロデューサー 瓶子修一
2月15日(土)機動戦士ガンダム 歴史編
3月15日(土)機動戦士ガンダム 表現編
http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=229067&userflg=0
1月の講座は『機動天使エンジェリックレイヤー』撮影監督、『交響詩篇エウレカセブン 』デジタルディレクターなどを経て、現在はスタジオカラーデジタル部プロデューサーとして『ヱヴァンゲリヲン:新劇場版』に携わる瓶子さん。約20年の間にデジタル化で変化したアニメーションの表現についてお話をうかがいます。
2.-アニメを題材にした-レビュー(短評)の書き方講座
10月期から東急セミナーBEで行っているレビュー講座。1月からも3回連続で行います。課題提出と添削がメインの内容ですが、決してハードではありません。文章上達したいと思っている方は是非。
http://www.tokyu-be.jp/seminar/2014010004EJ01001.html
今回のお題は『時をかける少女』と『銀河鉄道の夜』です。
参考:10月期に参加された方の感想をまとめました。
「東急セミナーBE アニメを題材にしたレビュー講座第2回の感想」
3.1月はSBS学苑で『逆襲のシャア』
1月26日(日)10:30~より、、『ガンダム』シリーズの生みの親である富野由悠季監督が初めて手がけたオリジナル劇場長編作『逆襲のシャア』を取り上げます。
http://www.sbsgakuen.com/gak0130.asp?gakuno=2&kikanno=157693
4.原稿などのお仕事
1)『ユリイカ12月号 高畑勲「かぐや姫の物語」の世界 』に「たけのこの『ふるさと』」を寄稿しました。
2)『ガッチャマンクラウズ』BD-B0Xのブックレットを担当しました。70ページ弱というコンパクトなかにかなり内容を盛り込みました。
3)『惡の華』全6巻。各話について2000字ほどの解題を書いています。
4)「四代目アニメの門」は『キルラキル』のスピード感について書いています。
http://bonet.info/review/5038
5)「恋するアニメ」は『惡の華』の後編です。
http://animeanime.jp/article/2013/12/11/16662.html
お蔵出し原稿
2015年が放送開始10周年になる『交響詩篇エウレカセブン』の原稿です。なんというか、時の経つのは早いですね……。これは角川書店から出た、『劇場版エウレカセブン』のムックに寄稿したものです。ムックの中にTVシリーズの紹介も載っていたので、それのまとめ原稿という位置づけです。
もっとフラットな原稿を求められていたようですが、『エウレカセブン』にそういうフラットな原稿はちょっと似合わない(本質をはずした感じになる)と思って、勝手にこんな原稿を書いてしまったのでした。
例のごとくタイトルは今回つけました。
「啓示」の物語
『交響詩篇エウレカセブン』は2005年秋にスタートし1年間にわたって放送された。
全50話は、大きく4部構成に分けられる。
第1部――第1話「ブルーマンデー」~第14話「メモリー・バンド」
第2部――第15話「ヒューマン・ビヘイヴュア」~第28話「メメントモリ」。
第3部――第29話「キープ・オン・ムービン」~第39話「ジョイン・ザ・フューチャー」。
第4部――第40話「コズミック・トリガー」~第50話「星に願いを」
この4部構成は、ちょうどレントンの視点が次第に広がっていく過程と重ね合わせることができる。
第1部は、自分の生まれた世界からゲッコーステイトへの参加が描かれ、そこで子供っぽい理想が打ち砕かれる様子が描かれる。第2部では、ゲッコーステイトのさらに外へとレントンの視野が広がる。特にチャールズとレイの二人に出会ったことは、レントンにとって大きな転機となる。第3部になると、レントンとエウレカの関係が、人類とコーラリアンの関係というこの惑星の問題と重なっていくことが明らかになる。そして第4部で、レントンは、人類とコーラリアンの対立を超えたところにまで到達してしまう。
この4部構成を通じて展開されるレントンの変化が『エウレカセブン』の物語の根幹をなしている。
レントンは故郷を旅立ち、ゲッコーステイトに参加することで、世間を知り変化していく。この点においては『エウレカセブン』は、成長物語の定石通りに展開しているといえる。
(とはいえレントンの周囲には“失敗した父親役”ばかりで、レントンは大人に導かれるのではなく、失敗した父親役たちに翻弄されながら自分なりに成長する、という構図は見逃せないポイントではある)
だが『エウレカセブン』は、成長物語とは別の力点をもう一つ持っている。むしろそれがあるからこそ『エウレカセブン』といってもいいだろう。
『エウレカセブン』では、「主人公の認識の枠組みの変化」が描かれる一方で、「レントンの変化しない部分」もまた何度も強調されているのだ。
レントンの物語は、レントンが故郷ベルフォレストでエウレカと出会った瞬間から始まった。そして物語は、当初予想だにしなかった世界の果てまで行き着いてしまう。だがその時にに至っても、レントンは「エウレカが好きだ。エウレカの側にいたい」という気持ちは変わらない。ぐるりと回って、たどりつくのはまた同じ場所。思えばレントンは、何度も何度もエウレカの思いを口にしていた。そしてその気持ちは、彼が成長しても変わらない。
レントンはその変わらない気持ちを「恋」と呼ぶ。だが、それを本当に「恋」と呼んでもいいのだろうか。
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