アニメ評論家・藤津亮太のアニメの門メールマガジン

アニメ評論家・藤津亮太のアニメの門ブロマガ 第31号(2013/12/13号/月2回発行)

2013/12/14 00:00 投稿

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  • かぐや姫の物語
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 寒い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
 明日14日は、12:30よりネイキッドロフトにて、ライター小川びいさんとイベント『アニメの門場外乱闘編 総括2013』を行います。
 毎年恒例のこのイベントは非常にざっくばらんな調子で今年のアニメを振り返る内容です。おかげさまで予約状況もまずまずと聞くので、そんなに寂しいことにはならずに済みそうですが(数年前に行った第1回は、ほんとに少なかったですね・笑)、もしご興味ある方いれば、まだ入れるのではないかと思うので是非~。
 では、行ってみましょうか。

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1.最近のお仕事紹介
2.アニメの門チャンネル裏話
3.お蔵出し原稿 「知らないと損をする」第5回
4.Q&A
5.次回予告



最近のお仕事紹介

1.講座「アニメを読む」
 朝日カルチャーセンター新宿教室で行っている講座「アニメを読む」12月講座と1月以降は以下の通りです。
 12月21日(土)新海誠作品特集
        http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=219980&userflg=0
 1月18日(土)アニメを読む制作編「デジタル化したアニメーション」
        ゲスト:スタジオカラーデジタル部プロデューサー 瓶子修一
 2月15日(土)機動戦士ガンダム 歴史編
 3月15日(土)機動戦士ガンダム 表現編
        http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=229067&userflg=0

 1月の講座は『機動天使エンジェリックレイヤー』撮影監督、『交響詩篇エウレカセブン 』デジタルディレクターなどを経て、現在はスタジオカラーデジタル部プロデューサーとして『ヱヴァンゲリヲン:新劇場版』に携わる瓶子さん。約20年の間にデジタル化で変化したアニメーションの表現についてお話をうかがいます。

2.イベント『アニメの門場外乱闘編 総括2013』開催
 毎年年末恒例でやっています『アニメの門場外乱闘編 総括2013』の開催が今年も決まりました。かーなーりーざっくばらんに2013年を振り返ります。講座やアニメの門チャンネルの真面目(?)な話ではない、ヨタ話をしつつ、2013年の十大ニュースを決めます。
 12月14日(土)12:30開場
  出演:藤津亮太・ライター小川びい
  会場:新宿ネイキッドロフト
  予約:http://www.loft-prj.co.jp/naked/reservation/
  予約800円/当日1000円

3.-アニメを題材にした-レビュー(短評)の書き方講座
 10月期から東急セミナーBEで行っているレビュー講座。1月からも3回連続で行います。課題提出と添削がメインの内容ですが、決してハードではありません。文章上達したいと思っている方は是非。
 http://www.tokyu-be.jp/seminar/2014010004EJ01001.html
 今回のお題は『時をかける少女』と『銀河鉄道の夜』です。

4.1月はSBS学苑で『逆襲のシャア』
 1月26日(日)10:30~より、、『ガンダム』シリーズの生みの親である富野由悠季監督が初めて手がけたオリジナル劇場長編作『逆襲のシャア』を取り上げます。
 http://www.sbsgakuen.com/gak0130.asp?gakuno=2&kikanno=157693

 このほか3月8日15:30から名古屋・栄の中日文化センターで『映画けいおん!』のお話をします! 中京地区初参戦なので、地域の方は是非よろしくお願いします。
 予約:0120-53-8164


「アニメの門チャンネル」裏話

 12月6日に配信した「アニメの門チャンネル」は、脚本家・じんのひろあきさん、ライター・宮昌太朗さんを招いて『かぐや姫の物語』について語り合いました。
 話は多岐にわたって、有料域でも30分以上にもわたってお話したので、「コレ」と話題を絞ることもできず。
 視聴者の方がが趣味でテープ起しをしてくださったので、締めくくりに近い部分をちょっとだけ再録したいと思います。

藤津:一応、有料域も30分を過ぎたので、最後にまとめ的に「それでは『罪と罰』ってどういう風にとらえました?」というところを締めの問題にしようかなと思います。まずキャッチコピーを信じるか信じないかという問題があるわけですけれど、どうでした?
宮:僕はだから「『かぐや姫の物語』の罪と罰」はあると思っていて、これって一回こっきりの映画の作り方だと思うんですよ。

藤津:ああ、この映画の「罪と罰」ね(笑)

じんの:たしかに、それは間違ったコピーではないですね(笑)

藤津:それって正確に言うなら「高畑勲の罪と罰」じゃないですか。

じんの:色々な意味を含めて確かに。

宮:でもまあ、映画を作るのは高畑さん一人では出来ないわけで、お金を出したり、この映画の総体としてですね。

藤津:氏家齋一郎の罪と罰とか(笑)

宮:製作筆頭に上がっているわけですからね。といってもいいと思うんですけれど(笑)。基本的にはワンカットワンカットを吟味して組上げていくという作り方を多分していると思われるんですよ。それは商業アニメーションにおいて、繰り返しのきかないやり方で、今回のケースでいえば高畑さんと田辺さんと男鹿さんというトリオが中核にいたから成立しただけで、これはまた三人が同じように組めるのかというとそれも難しい問題が絡むわけです。

藤津:一期一会度が凄い高いわけですね。

宮:という気がするわけですよ。だからそういう意味では罪が重いというか。

藤津:そういう罪ねぇ。レア度が高い、誰ももうここには来られない、あの時はあの高みに行けたけれどもう行けないという話ですよね。三人は月の世界に行ったけれど、皆は地上に残されて(笑)

宮:だから僕らは『ストライク・ザ・ブラッド』とか『キルラキル』とか、現世のアニメを思う存分楽しむべきである(笑)、という結論に昨日至りました。

藤津:素朴な質問ですけれど、じんのさんは「かぐや姫の罪と罰」という事は気にしてご覧になっていました?

じんの:いや全然。逆にこのコピーはやり過ぎなんじゃないかと。見る者の何かを制限しているなぁ、そんな目で見なくてもいいじゃないというのは、もう最初の小さな和菓子のようなかぐや姫を見たときにあって。多分これはそんなことじゃなくて、森林浴のように見ればいいんだなというね。後から何か思えばよいのであって、そういう事でもないし、それで考えていったら、雪の中に倒れるところとか、最後の月に赤ん坊が出るところとか、様々引っかかるところが出てくるんだけれど、それは「何か」であって、今探る必要はないんじゃないかなということですよね。だからもしかしてこれが何年か、3年か5年経って金曜ロードショーでやったときに、ああ、そうかと。ここでコマーシャルが入って「次なんだっけ、これか。これはこうだったんだ」というのがあると思いますね。

宮:その可能性ありますね。

じんの:あと、パタリロの存在はいいんですか?

藤津:女童ですね。

宮:女童はいいんじゃないですかね。

一同:(笑)

 

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