珍しく仕事に一瞬谷間ができまして、今週の日中は見なくちゃならない映画をせっせと見てました。『パラノーマン』(傑作)、『シュイガーラッシュ』(傑作)、『映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館』(うーん、普通)、『劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME』(泣けた)という具合。
 『パラノーマン』は不入りだったようですが、テーマの設定とドラマへの落とし込みが見事で、パッケージにはなるでしょうから見落とした方は是非お忘れなく。
 『シュガーラッシュ』はビジュアルがかわいく、諸星“アイカツ!”すみれさんの吹き替えもぴったり。
 『花いろ』は60分強の尺なのに、レギュラーのドラマも織り込みつつ、祖母―母―緒花のそれぞれの人生を重ねて描き出す力作。回想で出てくる緒花のお父さんが、山本鈴美香キャラみたいな鼻筋のイケメンでした。
 『ドラえもん』の普通さは、ちょっとやっかいで、表層的にはわりと楽しくまとまってます。やっぱり「ひみつ道具」のおもしろさというのは強いので。で、そこが目立っているわりに、ドラマの軸になる二つの要素がうまくかみ合わずで、特に片方は典型的マッチポンプ型トラブル(本人が勝手に起こした失敗を、本人がリカバリーしちゃう)で、失敗を起こす段取りが弱いのでちょっとノりきれない部分があったりして……。
 というような最近ですが、今回もいってみましょうか。

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1.最近のお仕事紹介
2.今月のアニメビジネス・ニュースセレクション
3.「マルチアングル」こぼれ話
4.不定期連載「お仕事こぼれ話 その2」
5.お蔵出し原稿
6.Q&A
7.お知らせ



■最近のお仕事紹介

1.『伏 鉄砲娘の捕物帳』(BD限定版)
 宮地昌幸監督インタビューと総論「八犬伝曼荼羅」を執筆しました。「八犬伝曼荼羅」は、原作「南総里見八犬伝」から各種の翻案的作品を概観しつつ、原作『伏 贋作・里見八犬伝』、映画『伏 鉄砲娘の捕物帳』の位置づけについて書きました。この原稿、こちらで勝手に書いたわりには、宮地監督がよろこんでくれたようで一安心しました。
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2.『PSYCHO‐PASS サイコパス OFFICIAL PROFILING』(角川書店)
 さっそく増刷したようで作品の人気の広がりを実感しましたね。本広総監督、塩谷監督、脚本・深見さんのインタビューのほか、総論的原稿を執筆しております。シビュラシステムと、狡噛慎也、常守朱、槙島聖護の関係はどのように読み解けるのか、という観点からテーマに迫っています。
 http://www.amazon.co.jp/dp/4041104068/

3.5月12日より早稲田エクステンションセンターで講義スタート
 予約開始は3月11日からですが、一足早くこちらでご紹介します。早稲田大学が運営する公開講座で連続講義を行います。早稲田エクステンションセンターの公開講座というのは、つまり早稲田大学のリソースを活用した一般向けの教養講座と思っていただければいいと思います。
 日付は5月12日(日)、19日(日)、26日(日)、6月2日(日)、9日(日)。時間はいずれも13:00~15:00です。
 テーマは、先方からのリクエストもあり「監督」についてです。題して「日本のアニメーション監督 ―高畑勲、宮崎駿から細田守、その先まで―」です。
  第1回 アニメーション監督とは
  第2回 高畑勲と宮崎駿
  第3回 富野由悠季と出崎統
  第4回 押井守と庵野秀明
  第5回 細田守と神山健治
 というような内容を考えています。早稲田エクステンションセンターでは秋からも講義をすることが決まってます。こっちは「アニメ史試論RETURNS」な内容になる予定です。
 講座は、先着順だそうで予約開始になりましたら是非よろしくお願いいたします。
 http://www.ex-waseda.jp/

4.講座『アニメ映画を読む』
 毎月第三土曜日18:00より朝日カルチャーセンター新宿教室で行っている講座です。13年からは『アニメ映画を読む』は『アニメを読む』に改題して、もう少し取り上げる幅を広げつつ続行します。4月~6月のラインナップは以下の通りです。
  4月20日 映画『銀河鉄道999』
  5月18日 アニメを読む制作編「作画のおもしろさ」 ※ゲスト:アニメーター 数井浩子氏
  6月15日 『アイアンジャイアント』
 http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=197795&userflg=0

5.講座『アニメの楽しみ』4月~6月期
 4月から東急BEセミナーたまプラーザ校で講座『アニメの楽しみ』を始めます。予約がもう始ってます。時間は第三土曜日14:30~16:30。基本、過去に朝日カルチャーセンターで行った講義の再演ですが、当然細部はいろいろ変わってくると思います。聞き逃していた方、気になる方は是非。ラインナップは以下の通りです。
  4月20日 映画けいおん!
  5月18日 ルパン三世 ルパンVS複製人間
  6月15日 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
 http://www.tokyu-be.jp/seminar/2013040004EJ01001.html
 7月期も開催が決まりました。たぶん特別講座含め4回やります。

6.SBS学苑「アニメ映画を読む」
 1,4,7,10月の年4回、静岡市のSBS学苑パルシェ校で開いている講座です。4月28日(日)10:30~から行う今回は「映画けいおん!」がお題です。「映画けいおん!」が描き出したものについて分析、考察します。
 http://www.sbsgakuen.com/gak0130.asp?gakuno=2&kikanno=152461

7.そのほかの仕事
雑誌「フリースタイル22」に寄稿
 雑誌「フリースタイル22」のお馴染み「one, two, three!」コーナーで、アニメについて寄稿しています。紙は4/3発売だそうです。Kindle版が既に発売中だそうです。「フリースタイル」は寄稿者がそうそうたるメンバーなので、いつも寄稿者一覧の中に自分の名前が交じっているとドキドキしてしまいますね。
 http://www.amazon.co.jp/dp/4939138666/
 http://www.amazon.co.jp/dp/B00BW90VP2/(Kindle版)

『天元突破グレンラガン COMPLETE Blu-ray BOX(完全生産限定版)』
 同梱される「未公開の初期設定など膨大なアーカイブを掲載したハードカバー製ムック本」をお手伝いしております。レアな画稿、レアな原稿満載の一冊です。デザイナーさんの内古閑さんのデザインがかっこいいです!
 http://www.amazon.co.jp/dp/B00ATYCF1Y/

『009 RE:CYBORG』BD(豪華版/通常版)
 こちらに同梱されるブックレットを構成・執筆しました。豪華本のほうの3DCGメイキングまわりは日詰明嘉さん、キャスト対談を川俣綾加さんに手伝ってもらっています。
 豪華版には映画の前日譚が、なんとシュガー佐藤(原案・神山健治)のコミックで収録。
 あと豪華版のBDは話題の「MGVC」(12ビットで制作された映画データをそのまま収録するもの)対応です。
 詳細→http://www.phileweb.com/news/d-av/201304/10/32810.html
 http://www.amazon.co.jp/dp/B00BT561WQ/

Foyer [ホワイエ] 2013年春号/Vol.61
 http://www.stereosound.co.jp/htweb/
月刊HiVi 2013年5月号
 http://www.stereosound.co.jp/hvweb/
にもそれぞれちょこっと寄稿しています。


■今月のアニメビジネス・ニュースセレクション

「アニメの門チャンネル」で紹介した気になるニュースを「アニメ!アニメ!ビズ」のURLつきで再紹介します

アニメ「探検ドリランド」 土曜朝に新シーズン 4社協力でキッズ市場目指
 「LINE TOWN」もそうですけど、ゲームに直接誘導するんじゃなくて、子供に認知してもらってキャラクターグッズも展開したいってことなのかなと僕は思いました。

アニメ配信クランチロール、有料会員20万人突破を発表 ウィンドウ多角化が寄与
 中南米向けサイトを立ち上げたことよりも、アプリとかを通じてスマホなどいろんなメディアで見られるようになってることが大きいそうです。

東映アニメ 企画・経営部門のオフィス移転 神楽坂から中野駅前に
 中野には意外とオタク系企業集まってるよ(Ufotable、ブシロードなど)というお話。

海外向け電子マンガ配信のJManga事業終了発表 本年5月末にサービス停止
 有名有力タイトルは既に翻訳されている中での、需要と供給のミスマッチが一因ということのようですが、これに端を発して「クールジャパン政策」のあれこれについて、数土さんといろいろ思っていることを語ったのでした。

角川グループ大改組
 かなり大胆な合併だったわけですが、果たしてこれからどういう方向を目指すのかは追々見えてくるのかな、と。とりあえずバックオフィス(総務とか)を一本化して、給与とか人事体系が統一されるのかなとは思いましたが。


■マルチアングルこぼれ話

 マルチアングルはジャーナリストまつもとあつしさんをお招きして、TAF(東京国際アニメフェア)とACE(アニメコンテンツエキスポ)の現状と今後を考えました。
 まつもとさんの資料が非常にうまくまとまっているので、ざっくりご紹介しますと。