アニメ評論家・藤津亮太のアニメの門メールマガジン

アニメ評論家・藤津亮太のアニメの門ブロマガ 第5号(2012/11/9号/月2回発行)

2012/11/09 20:40 投稿

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ご挨拶

 本格的に「冬」を予感させる日がやってきましたね。年々、寒いのが苦手になってきて真冬はカイロが手放せない藤津です。

 ちょっと前の話題ですが、日刊サイゾーに「『バクチを打てる人間がいなくなった……』アニメの製作委員会方式はもう限界なのか」という原稿が載りました。取材・文=昼間たかしとなっている記事です。
 で、この原稿がいかにアレかを書いていたのですが、ご挨拶にしては長すぎて、オマケに内容が割とアレじゃないかというご指摘もありまして(笑)。というわけで、次回予告のほうに回しました。読みたい方は、チャンネル会員になっていただければ。

 というわけで、さて本題です。


1.最近のお仕事紹介
2.今月のアニメビジネス・ニュースセレクション!
3.「マルチアングル」こぼれ話
4.お蔵出し原稿
5.Q&A
6.次回予告



最近のお仕事紹介

  1. 静岡大学で『エヴァ』の話をします
     11月18日(日)13時から静岡大学の学園祭の中で、『新世紀エヴァンゲリオン』の話をします。前半が『エヴァ』話で、後半はフリーな質疑応答の予定です。入場無料ですが、資料準備のため事前予約をお願いしております。TV版を総ざらえしつつ、旧劇場版まで見通す予定です。以下が、公式サイトです。ここから予約ができます。  http://tackk.com/jybfv6

  2. 講座『アニメ映画を読む』10~12月期
     毎月第三土曜日18:00より朝日カルチャーセンター新宿教室で行っている講座です。今期は残り以下の2回のラインナップです。
    【11月17日】「耳をすませば」
     http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=180549&userflg=0
    【12月15日】「映画けいおん!」
     http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=180550&userflg=0
     また朝カル会員でになれば学割もあります。学割会員は以下から申し込みできます。
     http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=175514&userflg=0
     13年からは『アニメ映画を読む』は『アニメを読む』に改題して、もう少し取り上げる幅を広げつつ続行します。
     1月~3月期は、『新世紀エヴァンゲリオン』(TV版+旧劇場版)、『風の谷のナウシカ』、アニメを読む制作編「アニメのシナリオって何?」の3本です。んがっんぐ。

  3. イベント「アニメの門場外乱闘編 総括2012」
     最近は年1回のペースの開催となっているイベント「アニメの門場外乱闘編」。今年も例の如く小川びいさんと一緒にアニメ十大ニュースを(かなり)ざっくばらんに語ります。
    日時:12月8日(土)12:30開場 ※昼間です
    会場:ネイキッドロフト http://www.loft-prj.co.jp/naked/map.html
    料金:¥800(超お得!)/当日¥1000(共に飲食別)
    予約:http://www.loft-prj.co.jp/naked/reservation/

  4. 出版関係いろいろ
    『009 RE:CYBORG THE COMPLETE』(角川書店) 神山健治監督インタビューをはじめ関係者インタビューを中心に、ストーリーのキーワード解説・読解を書いています。「彼の声、とは?」「天使の化石とは?」と悩んだ方にも大きなヒントになる内容が含まれています。そういう部分に正面から触れた唯一のムックです。
    http://www.amazon.co.jp/dp/4041103355/

    ゲーム『ZONE OF THE ENDERS HD EDITION』のPREMIUM PACKAGE(コナミスタイル特別版含む)にのみ同梱されるリブートBOOKに寄稿しました。ロボットアニメの歴史とゲーム「ZONE OF THE ENDERS」の関係を語っています。
    http://www.konami.jp/zoe_hd/jp/book.html

    神山健治 (文藝別冊/KAWADE夢ムック) に「アニメ史における神山健治」という原稿を寄稿しています。これを読んで『009』のラストを再考するとまた印象が変わるはず。
    http://www.amazon.co.jp/dp/4309977839/

  5. 連載『恋するアニメ』第3回掲載中
     今回は『美女と野獣』を題材に取り上げ、ヒロイン・ベルが「中二病」であるというお話。次回は『マルドゥック・スクランブル』の予定です。
     今回からアイコンとして、KEI-COさんのイラストがつきました~。


今月のアニメビジネス・ニュースセレクション!

「アニメの門チャンネル」で紹介した気になるニュースを「アニメ!アニメ!ビズ」のURLつきで再紹介します。

  1. ディズニー、ルーカスフィルムを買収

  2. 劇場版「NARUTO」、今夏興収14.6億円シリーズ史上最高
    テレビ東京の社長会見で明らかになったニュース。一方で『ポケモン』の不振が気になります。

  3. 注目のクラウドファンディングにアニメーション専門サイト Anipipo事前登録開始

  4. 「魔法少女まどか☆マギカ」、米国上映が快調 スクリーン平均で全米2位に
    よくある「アメリカでアニメが大人気」的な報道とは、今回何が違うのが数土氏が解説をしてくれました。
    ・今回は小さな劇場でのイベント上映。しかし……
    ・今、北米ではアニメの映画興行はまったく期待されていないから、よく小屋を押さえられたといえる。
    ・アニプレックスは興行+パッケージ販売という日本と同じ方法で、北米ビジネスを展開したい。その第一歩。
    ・それが成功といえる数字を出したのは、小さく見える大きな一歩。

     ということだそうです。

  5. 「トランスフォーマー プライム」第3シーズンをPPIが制作 マレーシア設立の新会社で

  6. 宮崎駿監督に文化功労賞、松本零士先生 フランス政府より藝術文学勲章を受章 おめでとうございます。
    http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1210/31/news105.html


「マルチアングル」こぼれ話

 ゲストは映像ジャーナリストの大口孝之氏で、3DCG映画の現状、S3D(立体視)の状況を伺いました。

 3DCGの世界情勢としては、「デフォルメしたキャラクター(しかし、質感はリアル)」を機軸にした、いわば“ピクサー・ライク”なスタイルが主流。しかし、日本にあってはピクサー・ライクなスタイルはむしろ傍流で、ゲーム・ムービーで発達した、フォトリアルな人間を動かすスタイル(ハリウッドでは消滅)と、トゥーンシェード(セル画調仕上げ)の二極にわかれている。『フレンズ もののけ島のナキ』は、そのなかでは珍しいピクサー・ライクなスタイルで正攻法でつくり、ヒットした作品。
 一方同日公開となった『バイオハザード ダムネーション』と『009 RE:CYBORG』は、かたやフォトリアルなつくりで、かたやセルシェーディングと、今の日本を象徴するような両極端なスタイル。

 

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