神山健治監督の『映画は撮ったことがない ディレクターズ・カット版』が発売中になりました。旧版から中島哲也監督と押井守監督との2対談をカットし、新たに庵野秀明監督との対談を新規追加しました。この対談の進行と構成を藤津が担当しました。
同書はさらに、ダ・ヴィンチ連載コラム「映画を生む本棚」を収録し、そして現在の心境をつづったあとがきが書き下ろされています。
映画はどのようにできているかを考えるのに最適の一冊なので、是非お求めください。
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『声優語 ~アニメに命を吹き込むプロフェッショナル~』(藤津亮太、一迅社)
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1.最近のお仕事紹介
2.Q&A
3.連載「理想のアニメ原画集を求めて」
4.不定期アニメ日記
5.連載一覧
最近のお仕事紹介
1.3月の朝日カルチャーセンター新宿教室「アニメを読む」(東京)
3月18日は第二期が放送中の『昭和元禄落語心中』です。第一期を中心に、作品の魅力に迫ります。【3月予約】
4月期は以下の通りです。
4月15日 特別講義「シナリオのできるまで」ゲスト講師:大河内一楼
シナリオ作りを体験するワークショップです。【4月期予約】
5月20日 『源氏物語』『源氏物語千年紀 Genji』
6月17日 『おそ松さん』
2.6月の中日文化センター講座『誰でもアニメ監督になれる!』
6月10日、1day講座「誰でもアニメ監督になれる!」好評受付中! 大ヒット作『コードギアス』の谷口悟朗監督とアニメ評論家の藤津亮太さんによる特別対談。作品制作の裏側も語ります。【受講申込】
3.5月のNHKカルチャー青山教室
5月20日13:30より「湯浅政明監督の世界」と題して長編監督デビュー作『マインド・ゲーム』を中心に、『夜よ短し恋せよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』が連続公開される湯浅監督の世界を考えます。【受講申込】
4.5月のSBS学苑パルシェ校
5月28日10:30より、「片渕須直作品の魅力」のテーマで行います。まだWEB予約はできないようなので、予約可能になりましたらよろしくお願い致します。
Q&A
「なぜなにアニ門」で質問を募集しています。「件名」を「なぜなにアニ門」でpersonap@gmail.comまで送って下さい。
連載「理想のアニメ原画集を求めて」
文・水池屋(コーディネート:三浦大輔)
第38回『エヴァンゲリオン展 図録』
『エヴァンゲリオン展』は2013年夏から、会場を変えつつ現在も続いている展示会です。
その内容は、アニメの原画展示がメインというわけではなく、TV版の『新世紀エヴァンゲリオン』から、現在進行形の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』に関する資料や貞本義行さんの描いていた漫画版の原稿を一度に見ることができる大々的な原画展です。
展示資料は新劇場版のもの中心。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』と『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』はそれぞれ全記録全集や原画集が出ていますが、そこに掲載されていた資料を実際に目にすることができました。
アニメの資料展や原画展の開催される頻度は年々高くなっています。特に近年は間を置かずに継続して原画展を開催している「ササユリカフェ」のような特別な場所もできたことで、原画を見ることが、アニメファンにとって身近なことになってきているかもしれません。自分としても大変喜ばしいことで、原画を見られる機会があれば喜々として足を運ぶことも多いです。
実際に紙に描かれた線画を見ると、まず最初に感じることの一つが、絵の大きさだと思います。
紙媒体などに原画が掲載される場合、実際の紙の大きさはよく分かりませんし、1ページに何枚も掲載される場合が多くて、1枚の絵をじっくり見るという感覚はなかなか味わえません。
アニメの原画の大きさは、差異はあれどカメラワークが関係しなければだいたい決まった大きさではありますが、劇場作品や一部の作品では紙が大きめなものもあります。
新劇場版の原画も大きめのサイズの紙で描かれています。これは実際に原画展に行って初めて知りました。紙が大きいと、単純に大きな絵を描くことになるわけで、それだけ絵を描く為に長い線を引かなければいけなくなる。実際の原画を見ると、そうした絵の向こう側にある、それを描いている人の肉体を想像できるようで面白いんですよね。
新劇場版の場合は、こんなに大きな絵を何十枚、何百枚も描いて作られているという、アニメの肉体労働的な側面が感じられる原画展でした。
その『エヴァンゲリオン展』の図録なんですが、この本はそうした原画の迫力を実感できる良い本だと思います。実に大きめの本で、今までここで紹介した本の中で一番大きな本だと思うのですが、実はこれがその原画の実寸の大きさなんです。
本来の図録というものは、展示されている大量の絵の目録的な役割としての比重が大きいと思うんですが、この本はそこが大きく違っているのが面白いところです。
横開きになっていて、全体的に1ページに1枚大きく絵が掲載されているページが多く、それが原寸大であることから、原画の実物としての大きさや、迫力が分かるようになっています。
また、片面1枚にだけ絵が印刷されているページがあるんですが、これはアニメーターが使う紙を再現しているページなんです。
実際にアニメの制作現場で使われている紙は、原画や動画、レイアウトや修正用紙などそれぞれ少しずつ違うものではあるんですが、この本で使われている印刷用紙はアニメの現場で使われている紙に近い質感になっています。
実際は、下の絵を透かして見るために、もう少し薄い感覚ですが、かなり再現度の高い触り心地です。絵の大きさ、紙の質感、フルカラーでの掲載ということで、この本は物体としての原画を再現しようとしている、原画を触れる原画集だと思います。
完成した映像の画面からは、実際に絵を描いている人たちの感覚というものは想像しづらいところがあると思うんですが、アニメに興味のある人は、この本を見て、触ってみて、試しに同じ大きさの紙にちょっと線を引いてみると、絵を描くという肉体的な行為に実感が持てるんじゃないかと思います。
作画に熱心な興味がある人にとっても良い本だと思いますし、展示を見て、図録を手に取って見てみれば、絵を描くってなかなか体を動かす肉体労働なんだなということが分かってもらえると思います。
実物と同じ大きさで原画の画としての迫力を感じることができて、展示では額に入っていて触ることができない絵を触ることができる、見て楽しい、触って楽しいという、なかなか貴重な原画集が『エヴァンゲリオン展 図録』です。
(『エヴァンゲリオン展 図録』/朝日新聞社/3000円)
不定期アニメ日記
『モアナと伝説の海』を見てきました。
挑戦的な要素(非白人ヒロイン、男性サブキャラが嫌われやすい性格)を、よくできた楽曲と定形のエピソードでぐいっと押さえ込んだような内容でした。
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